研究課題
本研究の目的は、IQGAP1が血管新生のみならず、心筋梗塞後の虚血再灌流障害を改善し、臓器保護的に働くことによって、心不全予防・治療に貢献できるのかどうかを明らかにすることである。今年度は、ヒト培養血管内皮細胞におけるIQGAPIsiRNAを用いたIQGAP1の機能解析を検討した。培養内皮細胞ではIQGAP1 siRNA導入により、活性酸素種(ROS)の発現が抑制され、ERKのリン酸化を介した細胞内シグナルを抑制することが明らかになった。内臓脂肪蓄積型肥満あるいはメタボリックシンドロームのおける心機能低下の機序にういても明らかに出来る可能性があると考え、ヒト培養内臓脂肪細胞におけるIQGAPIの機能解析を行った1当初の予想に反し、siRNAの導入効率が困難であり、条件設定に苦慮したが.最終的に、7割前後のタンパク発現抑制が得られる条件が明らかとなり、この問題は解決された。脂肪細胞においてはIQGAP1を介したROSの産生や細胞骨格に関する機能的変化は認めなかった。今後は、ラット培養心筋細胞でのシグナル検討を進めるとともに、虚血再灌流障害におけるIQGAP1の役割に関しては、心不全動物モデルにおける免疫組織学検討で明らかになる可能性が高い。本研究によってIQGAP1が心保護・血管新生促進における重要な標的分子であることが明らかとなれば、心不全発症・進展の新たな分子機序解明となり、心不全予防・治療に関する研究が大きく進み、慢性期心不全の予後改善や治療成績の向上に図り知れない利点があると考える。
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Lipids in Health and Disease. 8:41
ページ: 1-8
Curr Vasc Pharmacol (in press)
Cun Vasc Phannacol (in press)
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