研究概要 |
【目的】気管支喘息の病態には酸化ストレスが関与する。グルタチオン化は可逆的な蛋白酸化の一つであり急激な酸化状態の変化の際に出現するが気道被覆液での変化はよく分かっていない。グルタレドキシン(GRx)はグルタチオン依存性にその酸化修飾を還元する。喘息における気道被覆液中蛋白のグルタチオン化修飾とその調節因子を検討した。 【方法】C57BL/6マウスをovalbumin(OVA)にて感作し経気道的にOVA曝露した後、8,24,48,72,96時間後に肺胞洗浄液(BALF)を採取した(各群5~8匹)。BALF中グルタチオン化蛋白及びGRxはイムノブロット法で、総グルタチオンは既報に基づき測定した(Nagai,Thorax,2006)。 【結果】BALF中グルタチオン化蛋白はOVA曝露後8時間後の早期のみ出現した。OVA曝露前に比べGRxは24~48時間後に、総グルタチオンは8~72時間後に増加した。 【結論】アレルギー性気道炎症において被覆液中のグルタチオン化蛋白を初めて検出した。グルタチオン化蛋白はOVA曝露後早期に発現するが、グルタチオン/GRxシステムにより速やかに消失する。
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