• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

ヒト悪性中皮腫の新予防・治療法の開発のための基礎研究-AMPK活性化の重要性

研究課題

研究課題/領域番号 21790763
研究機関東北大学

研究代表者

牛 凱軍  東北大学, 大学院・医工学研究科, 准教授 (70447134)

キーワード悪性中皮腫 / AMPK活性 / AICAR / SCIDマウス / 細胞周期 / アポトーシス
研究概要

去年度まで,in vitro(6種類のヒト悪性中皮腫細胞)及びin vivo(ヒト悪性中皮腫の皮下モデル)を用い,AMPK活性剤であるAICARの投与が細胞の増殖とマウス皮下での成長の抑制効果を見出した.皮下モデルの組織免疫染色分析(ki67染色)に関しては対照群に比べ,AICAR投与が約40%の組織内の細胞の増殖を抑制したことが分かった.更に,もっと臨床に近いモデル(胸腔モデル)を作成し,AICARはモデルマウスの生存率に対する影響を検討した結果,対照群の生存期間の中央値(範囲)は20日(15-22日)であった.これに比べて、AICAR投与群(1kg体重あたり100mgのAICARを毎日投与)の生存期間の中央値(範囲)は29日(22-33日)であった(P<0.05).
今年度は主にin vitroとin vivoのメカニズムの解明に携わった.
まず,in vitro,Annexin Vによるアポトーシス検出の検討を行なった.500ug/mlのAICARの投与が,48時間後に,対照群の細胞に比べ,約10%のアポトーシス細胞を増やしたことが分かった.更に,BrdUの細胞周期解析では500ug/mlのAICARの投与が,48時間後に,対照群の細胞に比べ,約15%のS期細胞を抑制したことが分かった.この2つの観察したことに関しては細胞内のシグナルであるp53/phosphor-p53及びAkt/phosphor-Akt,p70/phosphor-p70をWestern blotting analysisを用い,検討した.結果はAICARの投与が細胞のp53,phospho-p53の発現量を増加し,phosphor-Aktとp70/phosphor-p70の発現量を減らした.in vivoでは皮下モデルのサンプルを用い,TANELによるアポトーシス検出の検討を行なった.
AICARの投与が,対照群に比べ,TANEL陽性細胞の割合が有意に増えることは観察された.シグナルに関してはin vitroと同じようにp53/phosphor-p53及びAkt/phosphor-Akt,p70/phosphor-p70をWestern blotting analysisを用い,検討した.結果はAICARの投与がp53,phospho-p53の発現量を増加し,phosphor-Aktとp70/phosphor-p70の発現量を減らした.
以上の結果から,AICARがp53とmTORシグナルを経由し,ヒト悪性中皮腫のin vivoでの成長を抑制し,生存期間を延長した.これらの結果を踏まえ,論文をまとめる上で臨床への研究に進みたいと思う.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Adiponectin Pathway Attenuates Malignant Mesothelioma Cell Growth2012

    • 著者名/発表者名
      Niu K, Asada M, et al
    • 雑誌名

      Am J Respir Cell Mol Biol

      巻: 46 ページ: 515-523

    • DOI

      10.1165/rcmb.2011-0068OC

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/335591bd83c5e95f47e756e87c06e8c9.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi