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2010 年度 実績報告書

非小細胞肺癌の進展における血管新生と血管内皮前駆細胞の関与

研究課題

研究課題/領域番号 21790765
研究機関秋田大学

研究代表者

佐藤 一洋  秋田大学, 医学部, 助教 (30436191)

キーワード血管内皮前駆細胞 / 非小細胞肺癌 / 腫瘍血管新生 / 抗腫瘍効果
研究概要

非小細胞肺癌の増殖や転移において腫瘍血管が重要なことは知られている。血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cell : EPC)は腫瘍血管へと分化する細胞であるが、EPCが肺癌の進展とどのような関連を持っているかはわかっていなかった。我々は、EPCが肺癌の増殖や転移に大きな役割を担っていると推測した。そこで、EPCが血管新生のマーカーとなりうる細胞と考え、腫瘍組織型、分化度、進行度との関連を検討した。さらに、治療効果とも関連があるのではないかという仮説を立て検証を行った。
治療前の非小細胞肺癌患者の末梢血よりEPCを採取し、その数を測定した。同時にEPCに関与するVEGF-A、IL8などのサイトカインの測療効果や予後など治療関連因子との関連を統計的に検討した。
結果、EPCは腫瘍サイズが大きいほど低値となっており、EPCが腫瘍の増大の際に血管への分化のため消費されていることが示唆された。そのほかの組織型など背景因子とは明らかな関連をもっていなかった。
治療効果とEPC数の関連としては、EPC数と化学療法の治療効果に強い相関が証明された。これは、非小細胞肺癌患者において化学療法施行前のEPCが、その治療の抗腫瘍効果を予測する因子となることを示唆するものである。これまで、癌治療の効果を予測しうる因子の報告はほとんどなく、今後の癌治療において大きな功績となると思われる。さらに、今後EPCを抑えることが化学療法の効果を増強させる可能性を示唆するものでもあり、この研究のさらなる発展が期待できると思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Endothelial Progenitor Cell Is Associated With Tumor Size In Human Non-Small Cell Lung Cancer2010

    • 著者名/発表者名
      Ryo Morita
    • 学会等名
      American Thoracic Society
    • 発表場所
      New Orleans, USA
    • 年月日
      2010-05-18
  • [学会発表] 肺癌の進展における血管内皮前駆細胞(Endothelial progenitor cell)の関与についての検討2010

    • 著者名/発表者名
      守田亮
    • 学会等名
      日本呼吸器学会総会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2010-04-25

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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