骨髄由来の血管内皮前駆細胞(EPC)は腫瘍の増殖と腫瘍血管新生において重要な役割を担っている。しかし、非小細胞肺癌においてはEPCが血管新生や臨床経過にどのように関与しているかは明らかにされていない。そのため、本研究では末梢血中のEPC数と非小細胞肺癌患者の臨床経過、治療経過などとの関連を明らかにすることとした。 方法としては、CD34、CD133、EGFR2陽性細胞をEPCと定義し、フローサイトメトリーでカウントした。EPCは非小細胞肺癌患者および健常者から採取し比較した。また、非小細胞肺癌患者においてEPC数が、腫瘍のサイズや転移と関連があるか、また腫瘍の治療効果と関連があるかを検討した。 その結果、EPC数は健状者に比べ、明らかに肺癌患者で増加していることが確認された。しかし、患者の年齢、性別をはじめ、腫瘍のサイズや臨床ステージなどとの関連はなかった。ただ、EPCが高値になるにしたがい、抗癌剤に対する反応が乏しく、また無増悪生存期間が長いことが示された。
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