研究概要 |
難治性肺疾患の進行予防ならびに改善を目的とした吸入型合成DNA治療薬の開発を念頭に置き、本年度はDNAの徐放製剤化による、創傷治癒促進/再上皮化への効果を免疫組織学的/分子生物学的に実証し学術誌に投稿した(Sato T and Klinman DM, et al.Accelerated Wound Healing Mediated by Activation of Toll-like Receptor 9. Wound Rep Regen. revised)。また、本結果による免疫刺激性合成DNAを用いた上皮成長に関する実験的手法を米国特許申請中である(Sato T and Klinman DM.USE OF CpG OLIGODEOXYNUCLEOTIDES TO INDUCE EPITHELIAL CELL GROWTH. PCT/US2009/044739 filed on Apr29, 2009)。この結果をベースとして、徐放製剤化とともに、炎症巣での効果的な放出特性を達成するために、pH依存性キャリアーの開発に重点的に取り組んだ。新規キャリアーとして、生分解性を有しナノサイズキャリアーとなりうるポリケタルに着目し、免疫刺激性/免疫抑制性合成DNA (Molecular Weight 4500-7500)をポリケタル粒子内に包埋することに成功した。現在、この新規DNAキャリアーを用いた基礎実験(1)TLR9強制発現細胞株を用いてDNA-polyketal単回投与下応答特性(2)TLR9強制発現細胞株を用いて低酸素環境による酸性条件下でのDNA-polyketal単回投与下応答特性を解析中である。
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