平成21年度における本研究では、るいそう~正常体重~肥満の気管支喘息患者及び健常人を症例登録し、肺機能検査、気道過敏性検査、呼気一酸化窒素濃度測定、誘発喀痰採取等の包括的気道炎症プロファイルを評価し、末梢血採血を行い、末梢血好酸球比率、総IgE、MASTにてアトピー状況を評価して、アディポサイトカイン測定用血漿の集積を行った。肥満プロファイル評価として、BMI(Body Mass Index)、バイオスペース社製InBody(非侵襲的体成分分析計)を用いた四肢・体幹別の精密体脂肪量定量を行った。 末梢血中アディポサイトカインとしては、レプチン、アディポネクチンの測定を行い、既報の健常人における相関と同様に、気管支喘息患者においてもこれらアディポサイトカイン濃度とBMIとの間に有意な相関を認めることを確認した。このことより、気管支喘息における気道炎症は、末梢血中、すなわち全身性アディポサイトカイン濃度へ有意な影響を及ぼしていないと考えられた。現在、誘発喀痰中アディポサイトカイン濃度を測定し、末梢血中アディポサイトカイン濃度との関連、包括的気道炎症プロファイルとの関連を検討し、アディポサイトカインの気管支喘息気道病態への関与を検討している。
|