閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の覚醒時安静呼吸時系列波形解析を行った。OSASの中でも混合型無呼吸が頻回に観察される一群では、閉塞型無呼吸がほとんどを占めるOSASに比較して、線形・非線形指標で評価した呼吸不規則性は有意に高度であり、チェーン・ストークス呼吸を含む中枢性睡眠時無呼吸症候群と同等であった。また呼吸不規則性がOSASにおいて持続陽圧呼吸(CPAP)療法のアドヒアランスを予測できるかどうか検討したところ、CPAPアドヒアランスが不良なOSASでは、覚醒時安静呼吸は有意に不規則であった。以上よりOSASには多様な病型があり、覚醒時安静呼吸時系列波形線形・非線形解析から評価した呼吸不規則性はその多様性を反映するだけでなくCPAPアドヒアランスを予測できる可能性が示唆された。
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