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2009 年度 実績報告書

腫瘍壊死因子の誘導する肺障害における上皮成長因子受容体トランス活性化機構の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21790788
研究機関昭和大学

研究代表者

山岡 利光  昭和大学, 医学部, 助教 (40384359)

キーワード腫瘍壊死因子 / 上皮成長因子受容体 / アポトーシス / 肺線維症 / 肺癌
研究概要

特発性間質性肺炎、肺線維症といった非特異的慢性炎症性肺疾患は罹患率が高く、その急性増悪は致命率が高い。しかしながら、この疾患の成因、増悪の機序は今だ解明されておらず、確たる治療法も存在しない。炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子(TNF)は、これらの疾患の成因や増悪に中心的な役割を果たしていると推測されている。また、上皮成長因子受容体(EGFR)を含むErbB受容体はTNFによりトランス活性化を受け、細胞をアポトーシスから回避し細胞障害を抑制する事が報告されている。しかし、この分子機構は不明な部分が多い。そこで、本研究では、以下の研究課題を解明することとした。1,TNFによるErbB受容体トランス活性化の分子機構を明らかにする。2,TNFを肺組織特異的に高発現させたトランスジェニックマウスが肺線維症に移行する過程において、TNFによるErbB受容体トランス活性化シグナルの果たす役割について検討する。平成21年度の研究実績として、ヒト気道上皮細胞(BEAS-2B)とヒト肺癌細胞株(NCI-H292)を用いて以下の知見を得た。BEAS-2BとNCI-H292細胞は、それぞれがTNFによるEGFRのトランス活性化を、1分後から受け始め15分後をピークとし4時間後でもその活性化は持続する。また、TNFの濃度依存的(0.01~100ng/ml)に活性化が強まる。このEGFRのトランス活性化をEGFRチロシンキナーゼ阻害剤で抑制することにより、TNFによるアポトーシス誘導能が促進される。EGFRのトランス活性化はTACE阻害剤の存在下で抑制されることから、TACEによるEGFRのリガンド切断による自己リン酸化が関与していることが推察された。EGFRリガンドに対する各種中和抗体を用いてEGFRのリン酸化を検討した。その結果、HB-EGF,TGF-aとEGFが関与していることが明らかになった。今後、TNFがTACEを活性化する機序について検討する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] TNFによるEGFRとErbB2のトランス活性化に寄与するEGFRチロシンキナーゼの同定とアポトーシス制御機構2009

    • 著者名/発表者名
      山岡利光
    • 学会等名
      第68回日本癌学会
    • 発表場所
      神奈川県(横浜)
    • 年月日
      20091000
  • [学会発表] Tyrosine site-specific phosphory lation of EGF receptor by TNF-induced transactivation regulates EGFR-ErbB2 intestinal epithelial cell anti-apoptosis2009

    • 著者名/発表者名
      山岡利光
    • 学会等名
      第100回アメリカ癌学会(AACR)
    • 発表場所
      アメリカ(デンバー)
    • 年月日
      20090400

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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