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2011 年度 実績報告書

IgA腎症におけるメサンギウム細胞へのIgA沈着メカニズムの解明と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21790800
研究機関新潟大学

研究代表者

金子 佳賢  新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80444157)

キーワード腎臓学 / IgA腎症 / メサンギウム細胞 / 糖鎖不全 / インテグリン
研究概要

IgA腎症の病因としてのメサンギウム細胞へのIgA1沈着に着目し、IgA1をプローブとしてメサンギウム細胞上の受容体を同定することを本研究の目的とした。培養ヒトメサンギウム細胞とFITC標識IgA1との結合を、各種サイトカインや増殖因子を用いてスクリーニングしたところ、正常の糖鎖を持つIgA1ならびに糖鎖不全IgA1のいずれにおいても、TNF-αおよびTGF-β1の存在下でヒトメサンギウム細胞にIgA1の受容体が誘導され、さらにデキサメタゾンの添加により、このIgA1の受容体の誘導作用が打ち消されることが明らかとなった。そこでこれら各々の培養条件で培養したヒトメサンギウム細胞を対象とした網羅的発現遺伝子解析からインテグリンβ1に着目した。インテグリンβ1も同様にTNF-αおよびTGF-β1の存在下でヒトメサンギウム細胞に発現が誘導され、デキサメタゾンを加えることにより、誘導作用が打ち消された。インテグリンβ1鎖は数種類のα鎖とヘテロダイマーを形成するが、ヒトIgA腎症患者の腎生検組織上の分布から、インテグリンα1/β1ならびにα2/β1ヘテロダイマーがIgA1との結合に関与していると考えられた。そこで培養ヒトメサンギウム細胞の細胞成分をインテグリンα1,α2,およびβ1に対する特異抗体を用いて免疫沈降させたところ、IgA1とこれらインテグリンが複合体を形成していることが明らかとなった。さらに培養ヒトメサンギウム細胞にインテグリンα1,α2,およびβ1に特異的なsiRNAを導入し、フローサイトメトリー法にてIgA1との結合を確認したところ、これらインテグリンをノックダウンした細胞ではIgA1の結合が有意に低下した。この結果から培養ヒトメサンギウム細胞とIgA1の結合はインテグリンα1/β1ならびにα2/β1ヘテロダイマー依存的であると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Integrin α1/β1 and α2/β1 as a receptor for IgA1 in human glomerular mesangial cells in IgA nephropathy2012

    • 著者名/発表者名
      Yoshikatsu Kaneko, et al
    • 雑誌名

      International Immunology

      巻: 24 ページ: 219-232

    • DOI

      10.1093/intimm/dxr125

    • 査読あり
  • [学会発表] Integrin α2/β1 as a novel galactose-deficient IgA1 receptor on human mesangial cells2011

    • 著者名/発表者名
      Yoshikatsu Kaneko, et al
    • 学会等名
      2011 World Congress of Nephrology
    • 発表場所
      Vancouver, Canada
    • 年月日
      2011-04-09

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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