CTGFはTGF-betaにより誘導される増殖因子であり、細胞外基質産生作用を有する。CTGFの機能解析にはCTGFノックアウトマウスによる解析が望ましいと考えているが、ノックアウトマウスは新生児期に肋骨の変形による呼吸困難にて死亡する。そのため慢性腎臓病におけるCTGFの意義を検討するために、CTGF floxedマウスを作成した。作成したマウスを用いて全身の誘導型CTGF欠損マウスと糸球体上皮細胞特異的CTGF欠損マウスを作成した。 (1)全身性タモキシフェン誘導型CTGF欠損マウスの作製 タモキシフェンにより全身性にCre蛋白の活性化がおこるRosaCreERT2マウスとCTGF floxedマウスを交配することにより、時期特異的にCTGFが全身で欠損するマウスを作成した。2週齢のマウスにtamoxifenを投与しさらに4週後にも投与しCTGFを欠損させたところ、CTGFmRNAは肝・膵・肺においては90%以上低下し、腎臓で81%、心臓で87%低下した。その組織学的特徴を現在検討中である。 (2)糸球体上皮細胞特異的CTGF欠損マウスの作製 糸球体上皮細胞特異的CreマウスであるNephrin-CreマウスとCTGF floxedマウスの交配を行った。ポドサイト特異的CTGF欠損マウスは尿蛋白の変化や明かな腎臓の組織学的異常は認められなかった。現在疾患モデルにおけるCTGF欠損の意義について検討を行っている。
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