腎臓線維化のメカニズムについての研究を押し進められている中我々は生体蛍光顕微鏡 (IVFM)を用いた正常マウスにおける片側尿管閉塞モデルの経時的変化を血行動態のパラメータの変化や炎症細胞の循環について観察しビデオに収録行った。そのデータの一部解析が終了し現在論文投稿中である。なおIVFM研究におけるTLR4欠損マウス群との比較については、デバイスと検体数を追加の問題があり引き続き共同研究の形でニュージーランドさらにニュージーランドの指導教官がアイルランドのGallway国立大学に移籍したためオタゴ大学のみならずゴルウェイ大学に出向いてデータ収集を22年度に予定したい。 一方、TLR4の情報伝達をブロックすることによる線維化の遅延については、肝臓で示されており、腎臓でもその可能性が高いという結果を本研究で得た。(線維化の進行度の評価としてはマッソントリクロム染色や、凍結組織からタンパクを抽出して1型コラーゲン(Sircol collagen assay kit使用)の測定を試みた。またTLR4の情報伝達系の変化としてはゲルシフトアッセイ(EMSA)により活性化NF-κBなどの核内タンパク質の発現量を観察したが、いずれも有意差をみとめており現在再現性を確認している。その作業が終了次第論文で報告する予定である。
|