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2009 年度 実績報告書

腎特異的Erk1/2ダブルノックアウトマウスを用いたErkの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21790818
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

杉山 紀之  京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (90381954)

キーワードErk / ノックアウトマウス / 嚢胞腎 / 急性腎不全 / 細胞内シグナル伝達系 / 細胞増殖
研究概要

本研究は腎臓でのErkの機能を明らかにすることを目的として、Erk1/2ダブルノックアウトマウスの作製を行い、恒常時、嚢胞腎および急性腎不全においてのErkの機能解析を行う計画である。
現在までにErk1 nullマウスおよびErk2 conditional knockoutマウスを作製し、その交配を進めている。さらに、Erk2遺伝子を欠失させるためのKsp-CRE transgenicマウスも既に作製し、前述のマウスたちと交配中である。
Erkの発現は出生時には尿細管上皮細胞で高発現が認められるが、成長と共に低下することを明らかにした。また、嚢胞腎形成時の異常増殖している尿細管上皮や腎動脈結紮で起こる尿細管壊死後の再生尿細管上皮で強いErkの発現が認められた。これらのことから、尿細管上皮細胞の増殖にはErkの発現が必要であることが予想された。しかしながら、これらのマウスはErk1のみ、あるいはErk2のみの単独のノックアウトマウスでは腎臓には全く変異は認められなかった。また、単独ノックアウトマウスでの腎動脈結紮後の再生も正常マウスと差がないことがわかった。以上のことから、尿細管上皮細胞の増殖にはErk1/2が協調的に機能していることがわかった。
以上のことより、Erk1/2が尿細管上皮細胞の増殖に協調的に関与していることを明らかにした。今後は、ダブルノックアウトマウスの解析を介して、Erkが尿細管上皮細胞の増殖にどのように機能しているか、他の増殖シグナルとの関連を明らかにする予定である。さらに、タモキシフェン誘導型のCre transgenicマウスも作製中であり、前述したマウスと交配することにより、胎生期からだけでなく、成体でのErk1/2ダブルノックアウトマウスも作製する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 嚢胞性腎疾患と繊毛2009

    • 著者名/発表者名
      横山尚彦、杉山紀之、芝大
    • 雑誌名

      細胞工学 28(10)

      ページ: 1021-1026

  • [学会発表] Defective planar cell polarity/non-canonical Wnt signaking pathway and normal canonical Wnt/β-catenin signaling pathway in inv mice2010

    • 著者名/発表者名
      Sugiyama N, Yokoyama T
    • 学会等名
      Keystone Symposia on Molecular and Cellular Biology. "Cilia, Signaling and Human Disease"
    • 発表場所
      Portola Hotel & Spa(California, USA)
    • 年月日
      2010-02-23
  • [学会発表] 尿細管形態維持装置としての繊毛蛋白Invの機能2009

    • 著者名/発表者名
      横山尚彦、杉山紀之、芝大
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2009-12-11
  • [学会発表] ERK Regulates Renal Cell Proliferation and Renal Cyst Expansion in inv Mutant Mice2009

    • 著者名/発表者名
      奥村保子、杉山紀之、横山尚彦
    • 学会等名
      日本組織細胞化学会
    • 発表場所
      ピアザ淡海(滋賀県)
    • 年月日
      2009-09-26
  • [学会発表] invマウスの嚢胞腎におけるcanonical Wntシグナル経路の関与2009

    • 著者名/発表者名
      杉山紀之、横山尚彦
    • 学会等名
      日本腎臓学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2009-06-04

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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