糖尿病性腎症腎組織における上皮細胞スリット領域の各種蛋白の発現を検討することを目的に、抗podocin抗体、抗ZO-1抗体、抗CD2-AP抗体を用い免疫組織染色法による蛋白発現変化における検討を行った。抗podocin抗体陽性面積率と一日尿蛋白排泄量とは負の相関関係を認め、さらにクレアチニンクリアランスとは正の相関関係が認められた。抗ZO-1抗体、抗CD2-AP抗体についても同様の傾向であった。これらのスリット膜関連蛋白の発現変化が、糖尿病性腎症における糸球体上皮細胞障害に密接に関連している可能性が示唆された。
|