研究課題
私たちは、蛍光ビーズを用いたフローサイトメトリー法(fluorescent bead-based immunoassay)により、これまで不可能であった微量の髄液サイトカイン/ケモカインや各種成長因子の多項目同時測定に初めて成功し、ALS患者では非炎症性神経疾患患者(other non-inflammatory neurological disease, OND)に比べ、MCP-1、G-CSFに加えて、IL-1β、IL-8、IL-9、IL-17、tumor necrosis factor-α(TNF-α)、eotaxin、macrophage inflammatory protein-1β、interferon-γ-inducible protein-10などの炎症性サイトカインおよびVEGFが有意に上昇していることを見出した(Tateishi et al. J.Neuroimmuno.)。また私たちは6世代16人の男女で常染色体優性遺伝形式の進行性筋萎縮と脱力を呈した、FUS遺伝子変異を伴った家族性ALSの日本人大家系を初めて報告し、その臨床・神経病理学特徴を明らかにした(Tateishi et al. Acta Neuropathol, 2010)。発症から17年が経過した剖検例は、上位・下位運動ニューロンをはじめとして、多系統に渡り変性を認めた。残存神経細胞やグリアに多数の嗜銀性、好塩基性の細胞質内封入体を認め、FUS、GRP78/BiP、P62およびユビキチン抗体で陽性だった。FUS遺伝子のR521C遺伝子変異により、核蛋白であるFUSの核への移行障害が生じ、その異所性局在により細胞質内に封入体を形成すること、長期間の経過により中枢神経系に多系統変性と神経細胞内に好塩基性封入体を伴うことを明らかにした。
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