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2010 年度 実績報告書

患者iPS細胞より分化したドーパミンニューロンの純化と機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21790851
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

吉崎 崇仁  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60383775)

キーワード移植・再生医学 / 脳神経疾患 / 細胞・組織 / パーキンソン病 / iPS細胞
研究概要

ヒトiPS細胞から分化したドーパミンニューロンにAgtrl1(アンギオテンシン受容体様タンパク1)やIL1R1(インターロイキン1受容体1)などの表面抗原が発現していることを本研究では確認した。しかし、ヒトES細胞群からの誘導と異なり、得られたドーパミンニューロンは全細胞数のうち3-5%程度しかなく、表面抗原を用いての分取が困難な状態であった。そのため、分化効率を上げるべく、Shh(ソニックヘッジホッグ)やFgf(線維芽細胞成長因子)8などの誘導因子の添加タイミングなどを検討することとした。濃度の変更より、胚様体から神経幹細胞培養を始めるときに使用することが有効であることが分かった。それにより7-8%程度までの上昇が見られた。
一方で、得られたドーパミンニューロンの機能について検討した。神経毒であるMPP+の添加によりドーパミンニューロンが減少するのだが、Agtrl1やIL1R1のリガンドであるApelinやIL-1βを投与したドーパミンニューロンは、このMPP+の刺激による減少が抑制されることが確認できた。
これらの知見を用いてパーキンソン病患者より得られたiPS細胞についてもドーパミンニューロンへ分化させることができたが、APelinやIL-1βを用いるとMPP+に対する耐性が獲得できた。今後は表面抗原を用いて、ドーパミンニューロンを分取し、6ヒドロシキドーパミンにより片側性にパーキンソニズムを来すマウスモデルに移植し、機能を解析する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] パーキンソン病患者はジスキネジアで困っているか2011

    • 著者名/発表者名
      吉崎崇仁
    • 雑誌名

      Frontiers in Parkinson Disease

      巻: 4(印刷中)

  • [雑誌論文] 神経再生研究からの最新知見-パーキンソン病に対する細胞移植治療の可能性-2010

    • 著者名/発表者名
      吉崎崇仁、Ole Isacson, 井上治久
    • 雑誌名

      Frontiers in Parkinson Disease

      巻: 3 ページ: 133-139

  • [学会発表] 黒質緻密部型ドパミンニューロン作製に向けて~ヒトiPS細胞による試み~2010

    • 著者名/発表者名
      吉崎崇仁
    • 学会等名
      第3回PDエキスパートミーティング東京
    • 発表場所
      東京ガーデンパレス
    • 年月日
      2010-12-03
  • [学会発表] マウス胎児中脳ドーパミンニューロンのAgtrl1受容体による神経毒への耐性の獲得2010

    • 著者名/発表者名
      吉崎崇仁、Alexandra Blak, Kai-C Sonntag, 岡野栄之、鈴木則宏
    • 学会等名
      第51回日本神経学会総会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      2010-05-23
  • [備考]

    • URL

      http://web.sc.itc.keio.ac.jp/medicine/neurology/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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