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2009 年度 実績報告書

肝細胞周期調節因子の肝糖脂質代謝における役割

研究課題

研究課題/領域番号 21790868
研究機関金沢大学

研究代表者

井上 啓  金沢大学, フロンティアサイエンス機構, 准教授 (50397832)

キーワード肝糖新生 / 細胞周期 / Cyclin D1 / STAT3
研究概要

肝臓における糖新生は、肝糖新生酵素の遺伝子発現調節により調節される。代表者らは、転写因子STAT3が、肝糖新生系酵素の遺伝子発現調節に重要であることを明らかにしてきた。食事摂取に伴い、肝臓STAT3は活性化され、肝糖新生酵素の遺伝子発現を抑制する。一方で、肝臓STAT3は細胞周期調節分子Cyclin D1の遺伝子発現を誘導し、肝細胞増殖を調節する。Cyclin D1は、細胞周期調節のみならず、肝糖代謝に関連する転写因子であるPPARγやC/EBPβの転写活性を制御することが知れている。すなわち、肝臓STAT3-Cyclin D1系が、肝細胞増殖のみならず、肝糖代謝調節にも関与する可能性を示唆している。本研究計画では、Cyclin D1の肝糖代謝調節における役割を明らかにすることを目的としている。
本年度は、肝Cyclin D1発現調節の解明・Cyclin D1による肝糖新生酵素発現調節作用・肝臓特異的Cyclin D1欠損マウスの作成に取り組んだ。その結果、肝臓Cyclin D1の遺伝子発現および蛋白発現が、絶食に伴い減少し、食事摂取後に増加することを見出した。H4IIE培養肝細胞を用いた肝糖新生酵素プロモーター活性解析では、cAMP存在下において肝糖新生酵素遺伝子発現プロモーター活性は増加し、Cyclin D1の遺伝子導入により減少した。これらの結果は、食事摂取後のCyclinD1増加が肝糖新生酵素遺伝子発現調節に何らかの役割を果たす可能性を示している。また、肝臓特異的Cyclin D1欠損マウス作成のために、Cyclin D1の第2-3エクソンをLoxP配列で挟んだマウスを作成した。来年度は、Cyclin D1による肝糖新生系酵素遺伝子発現制御メカニズムの解明を進めるとともに、肝臓特異的Cyclin D1欠損マウスの解析を通し、Cyclin D1の肝糖新生調節における重要性を解明する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Ablation of C/EBPbeta alleviates ER stress and pancreatic beta cell failure through the GRP78 chaperone in mice.2010

    • 著者名/発表者名
      Matsuda T.
    • 雑誌名

      J Clin Invest. 120

      ページ: 115-126

    • 査読あり
  • [学会発表] STAT3依存性肝糖新生調節における小胞体ストレスの役割2010

    • 著者名/発表者名
      山田智子
    • 学会等名
      日本薬学会
    • 発表場所
      就実大学(岡山)
    • 年月日
      2010-03-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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