本研究では、まずトランスフェリン受容体2 (TfR2)のトランスフェリン(Tf)との結合様式、さらには鉄の取り込み機能に関して、従来から知られるTfR1との分子レベルでの差異を明らかにした。その後、TfR2や、同様に遺伝性ヘモクロマトーシス責任分子であるHFEに関して、各々その強制発現、逆に発現knockdownを行って安定細胞株を樹立し、各々の発現評価をRT-PCRやウエスタン法にて行った。次に、細胞培養上清中のTf-Fe_2濃度を変化させてヘプシジン発現変化も検討したが、当初の予想とは異なりヘプシジン発現に有意差は認めなかったが、肝細胞以外が鉄センサーとして機能している可能性に注目し、単球・マクロファージ系がその機能を担う可能性を見出し、鉄のセンサーは肝細胞だけではない可能性を明らかにした。
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