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2010 年度 実績報告書

造血幹細胞の自己複製における白血病関連因子MOZとMORFの機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21790927
研究機関独立行政法人国立がん研究センター

研究代表者

勝本 拓夫  独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (50469970)

キーワード造血幹細胞 / 自己複製 / 転写制御因子 / ヒストンアセチル化酵素
研究概要

前年度に引き続きMOZ及びMORFの機能解析、特にMORFの機能解析を中心に研究を行った。前年度の研究から成体まで生存可能なMORF欠損マウスを得ることが可能になったことから、骨髄中の造血幹細胞について特に長期の造血幹細胞維持機能について解析を行った。MORF欠損マウスでは骨髄細胞分画中の造血幹細胞が濃縮されたCD34陰性、c-Kit陽性、Sca-1陽性、分化マーカー陰性分画の細胞が野生型と比べて減少していた。さらに5-FU投与や加齢に伴い、MORF欠損マウスで造血幹細胞分画が顕著に減少していることが明らかとなった。これらの結果及び移植実験の結果からMORFは、長期の造血幹細胞の維持に重要な遺伝子であることが示唆された。またMORF欠損マウス造血幹細胞の機能不全の原因となりうる遺伝子について検討したが、MORF欠損マウスの造血幹細胞分画で発現量が減少している遺伝子を明らかにすることはできなかった。さらにMORFによる造血系細胞の機能制御機構を明らかにするために、MORFと結合する造血に関わる転写因子を探索した。その結果、MORFは今までに知られているAML1やPU.1のみならずGATA-1/2とも結合することが明らかとなった。GATA-1/2の転写に対する影響をレポーターアッセイで解析した。MORFは、GATA-1に依存した転写を協調的に活性化したが、GATA-2による転写は活性化しなかった。さらにGATA-1/2が関わることが知られている巨核球分化についてMORF欠損マウスを用いて解析をした結果、巨核球前駆細胞の割合が野生型と比較して低下していた。以上の結果から、MORFはAML1, PU.1, GATA-1/2といった造血に重要な転写因子との相互作用を介して、造血系細胞分化や自己複製に関わっていることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Characterization of Spheres Derived from Canine Mammary Gland Adenocarcinoma Cell Lines

    • 著者名/発表者名
      Masaki Michishita
    • 雑誌名

      Research in Veterinary Science

      巻: (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Roles of histone acetyltransferase MORF and MOZ in hematopoiesis2010

    • 著者名/発表者名
      勝本拓夫、北林一生
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      20101200
  • [学会発表] Roles of Ring1A/B and ROS in stem cell potential of MOZ and other myeloid leukemia2010

    • 著者名/発表者名
      Haruko Shima
    • 学会等名
      第72回日本血液学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2010-09-25

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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