研究課題
フルオレセインイソチオシアネート(fluorescein isothiocyanate ; FITC)の塗布によりアレルギー性接触型過敏症(contact hypersensitivity ; CHS)を誘導したマウスの皮膚ではIL-25mRNAの発現が増強しており、CHSの発症及び病態の形成にIL-25の関与が示唆された。実際に、IL-25欠横マウスではFITCによるCHSが顕著に抑制され、CHSの誘導へのIL-25の関与が明らかになった。FITCで感作後、皮膚の樹状細胞のリンパ節への遊走やFITC特異的なメモリーT細胞の分化は、IL-25欠損マウスでは正常であった。また、FITCで感作した野生型マウス及びIL-25欠損マウスのT細胞を、未感作の野生型マウスに移植した後、FITCを塗布してCHSを誘導したところ、両群での炎症の程度に差はみられなかった。したがって、IL-25は、CHSの感作の成立(ハプテン特異的なメモリーT細胞の分化および活性化)には大きな寄与は有していないことが明らかになった。一方、FITCで感作した野生型マウスのT細胞を移植した未感作のIL-25欠損マウスにFITCを塗布してCHSを誘導した場合は、対照群(FITCで感作した野生型マウス0)T細胞を移植した末感作の野生型マウス)に比べて炎症は抑制され、IL-25は感作が成立した後の局所の炎症の誘導に重要であることが明らかになった。また、その際、T細胞ではなく、マスト細胞が産生するIL-25がCHSの炎症誘導に関わっていることが明らかになった。以上より、CHSの発症および病態形成にIL-25が深く関与していることが明らかになった。
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