研究課題
接触型過敏症は、従来、Th1・Tc1細胞依存的なアレルギー疾患と見なされていたが、遺伝子欠損マウスを用いた解析から、Th1・Tc1細胞よりも、Th17細胞とTh2細胞の関与が強いことが明らかにされている。IL-25(別名IL-17E)は、IL-4、IL-5やIL-13といったTh2サイトカインの産生増強を誘導し、Th2タイプの免疫応答に関与する。方で、IL-25は、Th17細胞の機能を抑制する働きをもつことが示されている。したがって、IL-25は、CHSにおいても、Th2細胞および/あるいはTh17細胞の機能に何らかの影響を与え、その発症に重要な役割を持っている可能性が示唆されているが明確になっていない。そこで、本研究では接触型過敏症におけるIL-25の役割を明確にすることを目的とした。ハプテンの塗布による接触型過敏症はIL-25欠損マウスで抑制され、IL-25は、接触型過敏症の発症何らかの関わりを持つことが明らかになった。IL-25は、ハプテンの感作時における皮膚樹状細胞の遊走やハプテン特異的なTh1、Th2およびTh17細胞の分化には必須ではなく、炎症誘導期の炎症の誘導に重要であることが明らかになった。また、Th2細胞ではなく、皮膚におけるマスト細胞が産生するIL-25が接触型過敏症の発症に関与していることが明らかになった。マウスの皮膚にIL-25を投与すると、Th2サイトカインの発現は変動しないのに対し、Th17関連サイトカインの発現亢進が認められた。また、接触型過敏症を誘導したIL-25欠損マウスの皮膚炎局所ではTh17関連サイトカインの発現の減少が認められた。したがって、IL-25は、Th17細胞の機能に何らかの影響を与え、接触型過敏症の誘導に関わっていることが示唆された。
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