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2009 年度 実績報告書

免疫グロブリン様受容体PIR-Bによる好塩基球のサイトカイン産生制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21790945
研究機関東北工業大学

研究代表者

坂本 譲  東北工業大学, 共通教育センター, 准教授 (30316434)

キーワード好塩基球 / PIR-B / IL-3 / ITIM / Th2免疫応答
研究概要

本研究では好塩基球のTh2免疫応答サイトカイン産生における抑制型免疫グロブリン様受容体PIR-Bの関与について検討することを目的とした.これまでに好塩基球は,(1)休止期にはIL-3刺激にのみIL-4を産生するが,活性化時にはIL-3刺激には応答せずIgEクロスリンク刺激にのみIL-4を産生する.(2)活性化によりPIR-Bの細胞表面発現が上昇する.(3)PIR-B発現欠損好塩基球は野生型とは異なり活性化時にもIL-3刺激に応答してIL-4を産生するという結果を得ている.これら結果からPIR-BはIL-3依存的なIL-4産生経路への関与が示唆される.そこでレトロウィルスベクターによる遺伝子再構成の実験系を用い,PIR-B欠損好塩基球はPIR-Bの発現回復によりIL-3刺激によるIL-4産生が野生型と同様のパターンに回復することを確認した.さらに好塩基球のシグナル解析を行いPIR-B欠損好塩基球では野生型と比べてIL-3刺激によるSykのリン酸化が亢進することから,IL-3刺激により動員されるSykの活性化をPIR-Bが抑制することでIL-4産生シグナルを制御している可能性が示唆された.一方,PIR-Bの活性化制御機構は,その細胞内領域のITIMチロシンリン酸化部位へ動員される抑制性フォスファターゼSHP-1により活性化シグナルを抑制すると考えられているが,今回このITIMのチロシン残基を欠失させた変異型PIR-Bを発現させIL-4産生を検討したところ,野生型PIR-Bを発現させた好塩基球と同様のIL-4産生パターンであった.またPIR-BリガンドであるMHC-Iを欠損する好塩基球では野生型と同様のIL-4産生パターンであることから,好塩基球のIL-3刺激によるIL-4産生機構にはこれまでに報告されていないPIR-Bの新たな免疫制御機構が関与するものと考えられる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Competitive binding of MHC class I between PIR-B and CD8 regulates CTLactivity.2009

    • 著者名/発表者名
      Endo S, Sakamoto Y, Nakamura A, Takai T.
    • 学会等名
      第39回日本免疫学会総会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪)
    • 年月日
      2009-12-03
  • [学会発表] Paired immunoglobulin-like receptor (PIR)-B attenuates IL-3-induced IL-4 production in a novel ITIM-independent manner in murine basophils.2009

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto Y, Oda A, Takai T, Hida S, Taki S.
    • 学会等名
      第39回日本免疫学会総会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪)
    • 年月日
      2009-12-02
  • [学会発表] Fc receptor γ-chain is a subunit of the IL-3 receptor, required for IL-4 production by murine basophils.2009

    • 著者名/発表者名
      Hida S, Sakamoto Y, Yamasaki S, Saito T, Taki S.
    • 学会等名
      9th World Congress on Inflammation
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京)
    • 年月日
      2009-07-07

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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