ヒトパルボウイルスB19による樹状細胞機能異常を標的とした関節リウマチ治療法開発

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21790957
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 感染症内科学
• 研究機関: 慶應義塾大学
• 研究代表者: 高橋 令子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90422120)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2010
• キーワード: ウイルス / 臨床免疫学 / サイトカイン / 抑制性T細胞

研究概要

本研究では、ヒトパルボウイルスB19(B19)感染後に関節リウマチ(RA)を発症した患者を経験したことから、サイトカイン産生やそのシグナルの異常によってどのようにして自己免疫異常が起こるのか分子レベルの機序を解明することを目的としている。現在、サイトカイン産生を抑制する抗炎症機能をもつ細胞としては、抑制性T細胞(Treg)が中心的であると考えられている。しかし、サイトカインシグナルによるTregの発生、維持に関する制御機構はほとんど知られていない。そこで、サイトカインシグナルの制御因子であるSOCS1のTregにおける機能について解析を行った。その結果から、SOCS1がTregにおいてそのマスター因子であるFoxp3の安定性およびサイトカイン産生抑制に寄与することが明らかとなった。

研究成果

• [雑誌論文] Suppressors of Cytokine Signaling (SOCS) Proteins and JAK/STAT Pathways : Regulation of T-Cell Inflammation by SOCS1 and SOCS3. (2011)
  • 著者名/発表者名: Tamiya T, Kashiwagi I, Takahashi R, Yasukawa H, Yoshimura A.
  • 雑誌名: Arterioscler Thromb Vasc Biol. 31 ページ: 980-985
  • 査読あり
• [雑誌論文] SOCS1 regulates type I/type II NKT cell balance by regulating IFNgamma signaling. (2011)
  • 著者名/発表者名: Hashimoto M, Hiwatashi K, Ichiyama K, Morita R, Sekiya T, Kimura A, Sugiyama Y, Sibata T, Kuroda K, Takahashi R, Yoshimura A.
  • 雑誌名: Int Immunol. 23 ページ: 165-176
  • 査読あり
• [雑誌論文] Smad2 and Smad3 are redundantly essential for the TGF -beta-mediated regulation of regulatory T plasticity and Th1 development. (2010)
  • 著者名/発表者名: Takimoto T, Wakabayashi Y, Sekiya T, Inoue N, Morita R, Ichiyama K, Takahashi R, Asakawa M, Muto G, Mori T, Hasegawa E, Saika S, Hara T, Nomura M, Yoshimura A.
  • 雑誌名: J Immunol 185 ページ: 842-855
  • 査読あり
• [雑誌論文] Transcription Factor Smad-Independent T Helper 17 Cell Induction by Transforming-Growth Factor-β Is Mediated by Suppression of Eomesodermin
  • 著者名/発表者名: Ichiyama K, Sekiya T, Inoue N, Tamiya T, Kashiwagi I, Kimura A, Morita R, Muto G, Shichita T, Takahashi R, Yoshimura A
  • 雑誌名: Immunity (in press)
  • 査読あり
• [学会発表] SOCS1 Mediates Stabilization of Foxp3 Expression in Treg Cells Keystone symposia (2010)
  • 著者名/発表者名: 高橋令子, 吉村昭彦
  • 発表場所: Taos, USA
  • 年月日: 20100221-20100226
• [学会発表] SOCS1 is necessary for stable expression of Foxp3 and suppression of IFN-gamma production in nTreg (2010)
  • 著者名/発表者名: 高橋令子, 吉村昭彦
  • 学会等名: 第14回国際免疫学会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-08-22
• [学会発表] SOCS1 mediates stabilization of Foxp3 expression in regulatory T cells (2009)
  • 著者名/発表者名: 高橋令子, 中川竜介, 吉村昭彦
  • 学会等名: 第39回日本免疫学会総会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2009-12-03
• [学会発表] 制御性T細胞におけるFoxp3発現の安定性へのSOCS1の関与 (2009)
  • 著者名/発表者名: 高橋令子, 中川竜介, 吉村昭彦
  • 学会等名: 第37回日本臨床免疫学会総会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2009-11-14
• [備考] ホームページ等 なし