1、多剤耐性細胞株樹立 A、低濃度抗癌剤添加による耐性細胞選択法:T細胞性白血病細胞株(Jurkat)を低濃度の抗癌剤を添加しながら継代することを72時間毎に繰り返し、耐性化細胞を樹立した。 B、MRP1cDNAトランスフェクション法:全長約5.6kbのMRPlcDNAをpcDNA3.1ベクターでMRP1が発現していない細胞(例:HEK293)にトランスフェクトし、MRP1が高発現した耐性化細胞を樹立した。 C、薬剤感受性試験(MTTアッセイ)による抗癌剤に対する薬剤耐性度の測定:耐性化細胞に各種抗癌剤(ドキソルビシン、エトポシド、ビンクリスチンなど)を添加し、4日間培養後、IC_50を算定した。耐性化を確認した。 D、MRP1の発現解析:耐性化細胞をFCMとLight Cycler (Roche)を用いたリアルタイムPCRでMRP1mRNAを増幅し、確認した。 2、耐性細胞株へのLT受容体拮抗薬添加後の機能実験 A、LT受容体拮抗薬添加後の薬剤感受性試験:耐性細胞に濃度変化した各種抗癌剤を投与し、LT受容体拮抗薬を添加する群としない群とMTTアッセイを用いて、耐性が克服されていた。 B、LT受容体拮抗薬添加後の蛍光色素排出能試験:耐性化細胞にローダミン色素などABCトランスポーターにより細胞外に排出される蛍光色素を添加しFCMで解析し、色素の排出量を評価する。また同時にLT受容体拮抗薬を添加することにより、細胞外への排出が抑制されていた。 今後、これらの結果を論文で報告する予定である。
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