(1) 神経堤由来細胞の分化を追跡できるP0-Cre/LacZマウスを作成し、慢性低酸素暴露による肺高血圧モデルを作成する a P0-Cre/Rosa26Rマウス(神経堤由来細胞が特異的に発現するマウス)を作成した。 b 生後7週から0.5気圧の低気圧チャンバーで21日間飼育し、マウスを評価後に屠殺した。病変の評価は、直接右室の穿刺により右室圧測定、屠殺後の右室/左室重量比測定を行い、肺血管病変の評価として、本来血管平滑筋を持たない肺胞や肺胞管レベルの末梢肺動脈での血管平滑筋を持つ血管の割合(末梢血管での筋性血管出現率)で求めた。本肺高血圧モデルにおいて、右室圧上昇、右室肥大、末梢肺血管の筋性化を確認した。 (2) 神経堤由来細胞が肺血管病変にどのように関与するかの検討の為に、多重蛍光染色を用いた共焦点レーザー顕微鏡による解析を行った 多重染色には、抗LacZ抗体、血管内皮細胞は抗CD31抗体、血管平滑筋は抗α-アクチン抗体、線維芽細胞は抗ビメンチン抗体(ビメンチン陽性、CD31陰性)、周細胞は抗NG2抗体を用いて染色した。また神経系細胞のマーカーNeurofilament M、synapsin 1、血管拡張性神経細胞のマーカーCGRP、血管収縮性神経細胞のマーカーであるNPY発現を検討した。LaxZは末梢平滑筋細胞に発現し、一部神経系細胞にも発現を認めた。さらに数を増やして検討する必要が有る。
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