研究課題
(1)神経堤由来細胞の分化を追跡できるPO-Cre/LacZマウスを作成し、慢性低酸素暴露による肺高血圧モデルを作成した。神経堤由来細胞が肺血管病変にどのように関与するかの検討の為に、多重蛍光染色を用いた共焦点レーザー顕微鏡による解析を行った。本肺高血圧モデルにおいて、右室圧上昇、右室肥大、末梢肺血管の筋性化を確認した。多重染色には、抗LacZ抗体、血管内皮細胞は抗CD31抗体、血管平滑筋は抗α-アクチン抗体、線維芽細胞は抗ビメンチン抗体(ビメンチン陽性、CD31陰性)、周細胞は抗NG2抗体を用いて染色した。また神経系細胞のマーカーNeurofilament M、synapsin 1、血管拡張性神経細胞のマーカーCGRP、血管収縮性神経細胞のマーカーであるNPY発現を検討した。LaxZは末梢平滑筋細胞に発現し、一部神経系細胞にも発現を認めた。(2)PO-Cre/LacZマウスを用いた低酸素暴露肺高血圧マウスへのエンドセリン受容体拮抗薬の効果0.5気圧の慢性低酸素暴露3週間で肺動脈圧の上昇、右室肥大、末梢肺動脈の筋性化を認めた。ボセンタンを連日腹腔内投与を行い、肺動脈圧低下、右室肥大改善、末梢肺動脈の筋性化指標の低下を認めた。今後、多重染色により、神経堤由来細胞肺血管病変への関与へのボセンタンの効果を検討する。
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