我々は、ジストロフィン遺伝子内に挿入された約330塩基の挿入配列を同定した。この挿入配列は約110塩基のポリT配列を有し、ポリT配列を除いた残りの212塩基の配列はヒト11番染色体と完全に一致していた。これらの特徴から11番染色体の一部が逆転写を介し、ジストロフィン遺伝子に挿入されたと考えられた。さらに転写産物の解析から計452塩基の配列が11番染色体から転写されていることが明らかになった。452塩基が存在する11番染色体の領域には既知の遺伝子が存在せず、またこの配列は既知の蛋白をコードしないため、新規の非翻訳遺伝子と考えられた。
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