研究概要 |
平成21年度はヘノホ・シェーンライン紫斑病患者検体の集積を行った。これに先行して当科でマイクロアレイを用いた遺伝子解析を行った結果、腎炎非合併例に比して腎炎合併例で発現が高かった遺伝子のうち、NK細胞関連遺伝子であるGZMB、GNYLについて末梢血単核球上におけるGNYL,GZMBの発現量を各群で調べたところ、腎炎合併、非合併の2群間において有意差は認めなかった。また我々はHSP患者末梢血CD69陽性NK細胞/B細胞の比率を、検体採取時及びTLRリガンド刺激後でそれぞれフローサイトメーターを用いて測定しその変化をみたが、リガンド刺激による細胞の活性化は顕著ではなかったまたCD69陽性率とGNYL,GZMB発現の相関について単回帰分析を用いて解析したが有意な相関関係は認められなかった。またHSP群の末梢血単核球におけるGNYL,GZMB mRNAの発現量を、Man-Whitney U検定を用いて、healthy control群, disease control群で比較した。しかしHSP症例内の討では、これまで同様、腎炎症例と腎非発症例の比較においてGNYL,GZMBの発現量に有意差は認められなかった。また発症時すでに腎炎を合併していた症例と、そうでない症例でも同様の検討を行ったが、有意差は見られなかった。
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