本研究は、ヒトパルボウイルスB19(HPV-B19)のウイルスタンパク質が血液凝固系に直接及ぼす影響を解明するために行っている。 まず各ウイルスタンパク質の発現系を構築するため、HPV-B19の各領域(VP1、VP2、NS)の遺伝子のクローニングを行った。 HPV-B19の各領域のクローニング後、大腸菌の発現系で各領域のウイルスタンパク発現および精製を検討した。その結果、発現には成功したものの発現タンパク質の大部分が不溶性画分への発現であった。その後、精製方法の改良を試みたが可溶性画分への発現にはまだ至ってない。 そのため、当初に計画から実験が遅れており次のステップである血液凝固系への影響の研究まで進んでいない状況にある。 パルボウイルスの蛋白発現の可溶化が難航しているため、現時点ではまだ研究成果を取りまとめるまでには到達していない。 次のステップである血液凝固系の評価手法に関してはある程度めどがついているため、現在難航している各領域ウイルスタンパク質の可溶化に成功すれば、当初の研究計画に沿った研究成果が得られると考えられる。 現在、各領域ウイルスタンパク質をさらに分割して発現系を構築して可溶性への発現を試みているところである。
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