好酸球の抗腫瘍効果を検討するためにin vitro、 in vivoの検討を行っている。in vitroの系に関しては検討した結果、ラジオアイソトープを用いない好酸球の細胞傷害作用を解析する方法が望ましいと考え、好酸球を用いた比較的新しい方法としてPKH-26とAnnexir-Vを用いて染色しフローサイトメーターで解析する方法が他施設から発表され(Legrand F他Methods Mol Biol. 2008)、本研究においてもこの方法を用いて検討を行うべく条件設定等、準備をすすめている。またin vivoの系に関してはヒトに近い病態を検討するために月FIP1L1/PDGFRA融合遺伝子あるいはコントロールのレトロウイルスベクターをヒトCD34陽性骨髄幹細胞に導入しNOD/SCIDマウスに移植し、月FIP1L1/PDGFRA融合遺伝子によるヒト型の活性化好酸球増多を生じるマウスモデル樹立に向け海外研究協力者Cancelas JAらを中心に詳細に条件検討を行っている。このモデル樹立のための初期の検討ではヒト由来細胞の生着率が問題でありモデルとしての使用のためには改善のための基礎的検討が必要であることが判明した。また当初、使用予定であったMCA誘導性線維肉腫を用いたマウスモデルでの検討は発がん物質を使用するため実験施設の長期確保が困難なため、研究協力者の黒岩 実らがこれまでに様々な検討に使用しているヌードマウスの皮下に神経芽腫細胞を接種し作成する異種移植腫瘍を用いて好酸球抗腫瘍効果を検討するための準備をすすめている。具体的にはこれまで使用してきた遺伝子導入骨髄移植モデルをいずれはヌードマウスで成立させる必要があるため検討を行っている。
|