研究課題
好酸球抗腫瘍効果の悪性腫瘍治療への利用に向けて基礎的検討を行った。本効果発現には好酸球と腫瘍細胞との親和性と好酸球の活性化が重要である。in vitroの検討では好酸球増多患者(好酸球が活性化していると考えられる)検体あるいは対照検体末梢血からCD16 negative depletion法にて分離した好酸球と標的腫瘍細胞として上皮系、血液系腫瘍細胞株を用いた。細胞傷害作用の解析はPKH-26とAnnexin-Vを用いてフローサイトメーターで解析する方法、あるいはサイトスピン標本を用い形態学的な変化を確認する方法を用いた。好酸球の標的として最適な腫瘍の同定にはいたっていないが、個々の腫瘍疾患患者での検討にもつながると考えられた。またFIP1L1-PDGFRA(F-P)融合遺伝子陽性好酸球はimatinibにて不活化が可能と考え本研究に有用であるため、好酸球増多症候群疑い患者検体を他施設からも供与をうけF-P融合遺伝子発現をnested-PCR法にて検索したがF-P融合遺伝子陽性患者は発見されなかった。またin vivoの系に関してはよりヒトに近い病態を検討するためにF-P融合遺伝子あるいはコントロールのレトロウイルスベクターをヒトCD34陽性骨髄幹細胞に導入しNOD/SCIDマウスに移植し、F-P融合遺伝子によるヒト型の活性化好酸球増多を生じるマウスモデル樹立に向け海外研究協力者Cancelas JAらとともに条件検討を行った。初期検討でのヒト由来細胞の生着率の問題に対し、レシピエントを修飾して検討した。本検討のモデルに使用するにはさらに改善が必要と考えられた。
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