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2010 年度 実績報告書

上皮―間葉転換のマスター転写因子による基底膜蛋白の発現調節

研究課題

研究課題/領域番号 21791055
研究機関弘前大学

研究代表者

中島 康爾  弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (70374832)

キーワード遺伝子 / シグナル伝達 / 発現制御 / 転写因子
研究概要

細胞は大きく上皮系と間葉系に分けられるが、皮膚では表皮細胞と線維芽細胞がそれに当てはまる。近年、個々の細胞がこの上皮から間葉系の細胞に転換する現象が明らかとなり、この現象がepithelial to mesenchymal transition(EMT)と呼ばれるようになった。EMTは生物の器官形成や形態変化に非常に重要であることが明らかにされているが、さらに癌や炎症性疾患の病態にも密接に関連していることが示されてきた。近年の研究から、transforming growth factor-beta(TGF-β)がこのEMTのキーとなるサイトカインであることが判明した。さらに、ごく最近の研究からzinc-finger型転写因子であるSnailがこのEMT現象を調節するマスター転写因子となっていることが解明された。即ち、TGF-βのシグナルが表皮細胞などの上皮系細胞に入ると、転写因子であるSnailが誘導されそれがカドヘリンなどの上皮系遺伝子のプロモーターに結合しその発現を抑え、一方間葉系のマーカーであるファイブロネクチンの遺伝子ではその発現を増やし、線維芽細胞への転換が起こる。申請者のグループも実際に表皮細胞の基底膜を構成するbullous pemphigoid antigen 1(BPAG1)やVII型コラーゲンのプロモーターの解析を継続して行ってきている。本研究の目的はTGF-βのシグナルで誘導される転写因子Snailがどのような分子機構を介して表皮細胞での基底膜蛋白の発現を変化させるのか、を明らかにすることにある。その結果、TGF-βは基底細胞で発現する基底膜蛋白の発現を誘導することが明らかとなり、EMTを抑制することが分かった。また、プロモーターの解析や転写因子の解析を行うことによって、その現象に転写因子Snailが深く関与することが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Leukemia cutis is an early sign of blast transformation that may mimica common skin disease : sycosis-like eruptions in chronic myelomonocytic leukemia.2010

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi S
    • 雑誌名

      J Dermatol

      巻: 37 ページ: 916-918

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Proliferating trichilemmal tumor developing in nevus sebaceous.2010

    • 著者名/発表者名
      Takeda H
    • 雑誌名

      Eur J Dermatol

      巻: 20 ページ: 664-665

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Giant cutaneous granular cell tumour with papillomatous appearance.2010

    • 著者名/発表者名
      Rokunohe D
    • 雑誌名

      Clin Exp Dermatol

      巻: 35 ページ: e7-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Multiple eruptive dermatofibromas associated with Hashimoto's thyroiditis and myasthenia gravis.2010

    • 著者名/発表者名
      Kimura Y
    • 雑誌名

      Ear J Dermatol

      巻: 20 ページ: 538-539

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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