研究課題
若手研究(B)
近年の研究から、transforming growth factor-beta (TGF-β)がこのepithelial to mesenchymal transition (EMT)のキーとなるサイトカインであることが判明した。さらに、ごく最近の研究からzinc-finger型転写因子であるSnailがこのEMT現象を調節するマスター転写因子となっていることが解明された。申請者の所属する弘前大学皮膚科では基底膜に発現する分子の発現調節機構の研究に力点をおいてきた。申請者も実際に表皮細胞の基底膜を構成するbullous pemphigoid antigen 1(BPAG1)やVII 型コラーゲンのプロモーターの解析を行っている。本研究の目的はTGF-βのシグナルで誘導される転写因子Snailがどのような分子機構を介して表皮細胞での基底膜蛋白の発現を変化させるのか、を明らかにすることにある。その結果、TGF-βは基底細胞で発現する基底膜蛋白の発現を誘導することが明らかとなり、EMTを抑制することが分かった。また、その現象に転写因子Snailが深く関与することが示唆された。
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