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2010 年度 実績報告書

マウスループスにおけるSLAMファミリー分子の役割についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 21791073
研究機関京都大学

研究代表者

鬼頭 昭彦  京都大学, 医学研究科, 助教 (40508438)

キーワード全身性エリテマトーデス / SLE / SLAM / 制御性T細胞
研究概要

本研究では、SLEの発症・重症化への関与が示唆されているsignaling lymphocyte activation molecule(SLAM)familyに着目する。SLAM familyが免疫自己寛容の破綻、SLEの病態に果たしている役割について明らかにすることで、SLAM familyを介した免疫制御療法の可能性を探索する。
平成21年度には、主にマウス免疫細胞におけるSLAMの発現パターンを明らかにした。CD4陽性ヘルパーT細胞にはSLAMを高発現する亜集団と低発現する亜集団が存在していたが、興味深いことに、自己免疫疾患発症抑制に必須の細胞集団であるCD4陽性FoxP3陽性制御性T細胞の大部分はSLAMを高発現していた。
平成22~23年度
SLAMを高発現するT細胞を除去したCD4陽性T細胞をリンパ球欠損マウスに移入すると、マウスは様々な自己免疫疾患を発症した。すなわち、SLAMを高発現するCD4陽性T細胞は生体内で自己免疫疾患の発症を制していることが示唆された。
SLAM陽性細胞の生体内除去により実際に自己免疫疾患が発症するかどうかを検証するため、抗SLAMモノクローナル抗体(クローン12F12)を生体内に投与したが、SLAM陽性細胞は生体内でdepletionされず、このクローンは生体内でdepletion抗体として機能しないことが明らかとなった。
また、SLAMを高発現するCD4陽性T細胞亜集団は、in vitroで制御性T細胞様の抑制活性を示した。
抗SLAM抗体が制御性T細胞の抑制活性に及ぼす影響をin vitroの抑制アセイで検討したが、抑制活性の低下はみられなかった。
これらの知見から、SLAMを高発現するCD4陽性T細胞は免疫学的自己寛容の維持に必須であり、その主たる機能はSLAMを高発現するCD4陽性T細胞に含まれるFoxP3陽性制御性T細胞が担っていることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Perturbations of both nonregulatory and regulatory FOXP3+T cells in patients with malignant melanoma2011

    • 著者名/発表者名
      Fujii H., Arakawa A., Kitoh A., Miyara M., Kato M., Kore-Eda S., Sakaguchi S., Miyachi Y., Tanioka M., Ono M
    • 雑誌名

      Br J Dermatol

      巻: 164 ページ: 1052-1060

    • 査読あり
  • [学会発表] Analysis of the mechanism underlying contact hypersensitivity-induced hair growth2011

    • 著者名/発表者名
      Kitoh A., et al
    • 学会等名
      Annual Meeting of JSID
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2011-12-10

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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