マウス血管内皮細胞株F-2におけるpyrin、inflammasomeの構成成分であるNLRP3、ASC、pro-caspase-1の発現をRT-PCRにて確認した。F-2にNLRP3のリガンドであるR837を添加した後の培養上清を用いたELISAにてIL-1βの産生を認め、inflammasomeが機能することが示唆された。ただ、単純にR837を添加したのみではその産生量はごくわずかで、LPSによる前処置によって、IL-1β産生量の有為な増加を認めた。さらにFACS解析により、IL-1β産生時のF-2はAnnexin Vと結合することが確認されたが、mitotrackerとlysotrackerを使った解析では変化を認めなかった。不明熱・紫斑・結節性紅斑などを主症状とし、血管障害を伴う自己炎症疾患群が疑われる症例についてpyrin関連遺伝子の変異検索を行ったが、変異を伴う症例は見出だされなかった。
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