研究課題
本研究の目的は、NOD2遺伝子の機能獲得型遺伝子変異によって皮膚・関節・眼を中心とする全身に類上皮細胞肉芽腫が進行性に形成される若年発症サルコイドーシス/Blau症候群をモデルに、単球においてNOD2からのシグナルが過剰になるだけで、抗原特異的T細胞の誘導がなくても、類上皮細胞肉芽腫が形成されるのかどうかを明らかにすることである。昨年度に引き続き、まず若年発症サルコイドーシス/Blau症候群関連変異NOD2遺伝子を導入したTHP-1細胞を用い、in vitroにて類上皮細胞肉芽腫あるいはその構成細胞の形成を試みた。刺激因子としてさらに複数の細菌由来成分を試みたが、THP-1細胞をマクロファージ様付着細胞に変化させることができたのはやはりPMA刺激のみであった。ただ、PMAの濃度をかなり高くしても、巨細胞の形成は認められなかった。そこで肉芽腫形成の場として線維芽細胞株との共培養を試みたり、肉芽腫の核として尿酸結晶を加えてみたが、やはり巨細胞や肉芽腫の形成はなかった。そこでin vitroでPMAで刺激しプレートに付着した各種変異THP-1細胞を蛍光ラベルしてヌードマウスの皮下に接種し、肉芽腫の形成を試みているが、現在のところ若年発症サルコイドーシス/Blau症候群関連NOD2変異に特異的な変化は認めていない。すなわち、活性化したTHP-1細胞にPMAを混ぜて注射すると、変異の有無にかかわらず、注射2日後にラベルされた細胞集塊を皮下に認めたが、1週間後には細胞集塊は残るもののラベルは消失していた。今後、in vitroでの刺激期間を変え、またPMAを混ぜないで注射するなど条件を変えることで、変異の有無で差が出ないかさらに検討を進める予定である。
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