• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

紫外線照射による皮膚樹状細胞を介した免疫抑制機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21791104
研究機関産業医科大学

研究代表者

吉木 竜太郎  産業医科大学, 医学部, 助教 (30412646)

キーワード紫外線 / 免疫抑制 / 皮膚樹状細胞 / 調節性T細胞 / インターロイキン10 / OX40 / RANKL / 角化細胞
研究概要

1. 紫外線B(UVB)照射後、ランゲルハンス細胞(LC)は抗原特異的な制御性T細胞を誘導する機能を獲得する
UVB照射後のマウス皮膚をコラゲナーゼ、ビアルロニダーゼで処理することで皮膚細胞浮遊液を作成した。フローサイトメトリで皮膚に存在する抗原提示細胞(LC、Langerin陽性真皮樹状細胞、Lange血陰性真皮樹状細胞)における抑制系のシグナルおよび表面抗原を解析したところ、LCにおいて、抗原特異的制御性T細胞誘導に重要であるとされるインターロイキン10 (IL-10)の産生が認められた。さらに、0照射後のLCでは、IL-10などの産生に関わるとされるOX40 ligand (OX40L)の発現が強く認められた。これら免疫抑制に強く関わるシグナルは、Langerin+/-真皮樹状細胞においては認められなかった。この結果より、UVB照射により、皮膚に存在する樹状細胞の機能を変化させることが可能であった。
2. UVB照射後の角化細胞とLCが相互作用することでLCは制御性T細胞誘導機能を獲得する
UVB照射後のLCが制御性T細胞誘導能を獲得することについてさらに検討した。LCのみの細胞浮遊液にUVBを照射してもLCからのIL-10産生およびOX40Lの発現は見られず、むしろその生物学的活性は低下した。そこで、UVB照射後の角化細胞から抑制系のシグナルであるRANKLが発現することに着目し、RANKLとLCを共培養すると、LCからのIL-10産生が見られた。この結果より、UVBは直接LCに作用してその機能を変化させるのではなく、角化細胞を介して間接的にその機能を変化させるということを意味する。さらにLanerin-ジフテリア毒素受容体遺伝子改変マウスを用い、真皮樹状細胞ではなくLCがUVB誘導性免疫抑制に重要であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Local UVB-induced immunosuppression is mediated by IL-10-producing and OX40L-positive mature Langerhans cells2009

    • 著者名/発表者名
      吉木竜太郎
    • 学会等名
      European Society of Dermatological Research
    • 発表場所
      Budapest, Hungary
    • 年月日
      2009-09-11
  • [学会発表] UVB照射時における皮膚樹状細胞の機能変化2009

    • 著者名/発表者名
      吉木竜太郎
    • 学会等名
      第31回 日本光医学・光生物学会
    • 発表場所
      梅田スカイビル(大阪府)
    • 年月日
      2009-07-25

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi