1. 紫外線B(UVB)照射後、ランゲルハンス細胞(LC)は抗原特異的な制御性T細胞を誘導する機能を獲得する UVB照射後のマウス皮膚をコラゲナーゼ、ビアルロニダーゼで処理することで皮膚細胞浮遊液を作成した。フローサイトメトリで皮膚に存在する抗原提示細胞(LC、Langerin陽性真皮樹状細胞、Lange血陰性真皮樹状細胞)における抑制系のシグナルおよび表面抗原を解析したところ、LCにおいて、抗原特異的制御性T細胞誘導に重要であるとされるインターロイキン10 (IL-10)の産生が認められた。さらに、0照射後のLCでは、IL-10などの産生に関わるとされるOX40 ligand (OX40L)の発現が強く認められた。これら免疫抑制に強く関わるシグナルは、Langerin+/-真皮樹状細胞においては認められなかった。この結果より、UVB照射により、皮膚に存在する樹状細胞の機能を変化させることが可能であった。 2. UVB照射後の角化細胞とLCが相互作用することでLCは制御性T細胞誘導機能を獲得する UVB照射後のLCが制御性T細胞誘導能を獲得することについてさらに検討した。LCのみの細胞浮遊液にUVBを照射してもLCからのIL-10産生およびOX40Lの発現は見られず、むしろその生物学的活性は低下した。そこで、UVB照射後の角化細胞から抑制系のシグナルであるRANKLが発現することに着目し、RANKLとLCを共培養すると、LCからのIL-10産生が見られた。この結果より、UVBは直接LCに作用してその機能を変化させるのではなく、角化細胞を介して間接的にその機能を変化させるということを意味する。さらにLanerin-ジフテリア毒素受容体遺伝子改変マウスを用い、真皮樹状細胞ではなくLCがUVB誘導性免疫抑制に重要であることを明らかにした。
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