アルツハイマー型認知症(Alzheimer's disease:AD>に対する根治的な治療方法であるアミロイドワクチン療法が実施されている。しかし、脳機能画像であるアミロイドイメージングによって、ADのみならず、2番目に頻度の高い神経変性認知症疾患であるレビー小体型認知症(Dementia with Lewy bodies:DLB)においてもアミロイド蛋白の蓄積が認められることが明らかになっており、その臨床的意義は不明である。また、関連疾患であるパーキンソン病認知症(Parkinson's disease dementia:PDD)とDLBの異同についても明らかとなっていない。 1、アミロイド蛋白の脳内沈着について、標準化されたBrain-Net Europeの評価方法を用いて、PDD13例、DLB17例の剖検脳を用いて、AD病変である神経原線維変化(NFT Braak stage 0-VI)とアミロイド沈着(Amyloid phase 0-V)とレビー関連病理について、臨床病理学的検討を行い、DLBとPDDの臨床病型の決定において、アミロイド沈着が関与していることを明らかにした。 2、ADと比較して、DLBの^<18>F-FDG PET画像では、側頭・頭頂連合野に加え後頭葉にも糖代謝低下を認める症例が多い。各領域について、神経病理学的にAD病理とレビー関連病理について定量的にイメージ解析を用いて評価し、神経細胞数との関係を明らかにした。その結果、DLBでは、レビー関連病理のみならず、AD病理も脳機能画像で認められる糖代謝低下の所見を反映していると考えられた。
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