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2010 年度 実績報告書

薬物依存症の治療法開発:逆耐性を消失させるドーパミンD1受容体シグナル

研究課題

研究課題/領域番号 21791154
研究機関久留米大学

研究代表者

首藤 隆秀  久留米大学, 医学部, 助教 (70412541)

キーワード薬物依存 / メタンフェタミン / 逆耐性 / ドーパミン / DARPP-32 / 線条体
研究概要

薬物依存症の動物モデルである逆耐性現象を消失させるドーパミンD1受容体刺激薬反復投与が、どのような機序で作用するのかを解明するため、リン酸化タンパクDARPP-32のリン酸化状態の解析を中心としてシグナル変化の検討を行った。実験動物の個体レベルでのシグナル解析を行う目的で、生前のDARPP-32リン酸化状態の保持に最適なマイクロウェーブ照射条件を検討した。その後、前頭前皮質、線条体、海馬を分離し、ウエスタンブロット法によりDARPP-32、AMPA型グルタミン酸受容体GluR1サブユニット、NMDA受容体NR1サブユニットなどの発現量およびPKAでリン酸化される部位のリン酸化状態の解析を行った。メタンフェタミン単回投与では線条体におけるドーパミンD1受容体/PKAシグナルが増強されるが、メタンフェタミン反復投与後、つまり逆耐性形成後ではドーパミンD1受容体/PKAシグナルの減弱を示唆する実験結果が得られた。この結果より、ドーパミンD1受容体刺激薬反復投与は、逆耐性形成ラットにおいて減弱しているドーパミンD1受容体/PKAシグナルを増強することにより逆耐性を消失させるという可能性が考えられる。この結果は、薬物依存症の治療においてドーパミンD1受容体刺激薬が有用である可能性を示すと考える。また、遺伝子発現制御機構における変化の解明のため、逆耐性形成後およびドーパミンD1受容体刺激薬反復投与後のラットを断頭して各脳部位を分離し、ヒストンH3のアセチル化レベルを解析した。さらに逆耐性に関連する分子のmRNAの発現量を測定した。これらの検討においては現在までに著明な結果は得られていないが、条件検討の結果、解析に最適な実験条件の設定が終了し、実験系が確立された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Treatment of the Psychostimulant-Sensitized Animal Model of Schizophrenia.2011

    • 著者名/発表者名
      Takahide Shuto
    • 雑誌名

      CNS Neurosci Ther.

      巻: 17 ページ: 133-139

    • 査読あり
  • [学会発表] ムスカリン受容体による線条体ドーパミン情報伝達系の調節2011

    • 著者名/発表者名
      黒岩真帆美
    • 学会等名
      第84回 日本薬理学会年会
    • 発表場所
      (誌上開催)
    • 年月日
      2011-03-23
  • [学会発表] sirtuinを活性化するresveratrolのコカイン逆耐性現象に対する影響2011

    • 著者名/発表者名
      古賀夕貴
    • 学会等名
      第84回 日本薬理学会年会
    • 発表場所
      (誌上開催)
    • 年月日
      2011-03-22
  • [学会発表] Regulation of DARPP-32 phosphorylation by muscarinic receptors via presynaptic and postsynaptic mechanisms in the stiriatum.2010

    • 著者名/発表者名
      黒岩真帆美
    • 学会等名
      第63回 日本薬理学会西南部会
    • 発表場所
      かごしま県民交流センター(鹿児島県)
    • 年月日
      2010-11-26
  • [学会発表] 大脳皮質ドーパミンD1シグナルを制御するホスホジエステラーゼ4に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      黒岩真帆美
    • 学会等名
      第40回 日本神経精神薬理学会年会
    • 発表場所
      仙台国際センター(宮城県)
    • 年月日
      2010-09-17

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公開日: 2012-07-19  

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