研究課題
本年度は、2001年9月から筑波大学附属病院で肝細胞癌に対して陽子線治療を施行した266症例273部位について、陽子線治療計画装置を用いてDose Volume Histgram(DVH)の解析を施行しました。陽子線治療施行後の半年毎の肝機能推移や消化管潰瘍・肋骨骨折などの晩期有害事象に関するデータ収集も平行して施行しました。現在、陽子線治療施行後の肝機能変化がどのような因子によってどの程度悪影響を及ぼすか、統計ソフトを用いて解析中です。肝細胞癌に対する陽子線治療がどのように正常な肝機能に影響を及ぼすかを明確にすることによって、陽子線治療を施行する前に陽子線治療の安全性を評価することが可能となりその臨床的な意義は非常に大きいと考えられます。また、陽子線治療後の晩期有害事象の頻度・重傷度と陽子線治療との因果関係についても現在解析中です。同一患者に複数回の陽子線治療を施行した症例の解析については、現時点ではDVH作成まで終了しており、今後は医療画像解析システムを用いて、同部位に重複して陽子線治療を施行した場合の安全性について評価予定です。また、陽子線治療の精度について、陽子線治療施行時に使用する金属マーカーの呼吸に伴う変動について調査し、呼吸に伴う誤差をカバーするのに必要な照射範囲を算出しております。現時点で、肝機能評価・有害事象の評価・解析に必要なデータ収集がほぼ終了しており、今後はこれらの解析結果を基に、肝細胞癌に対する陽子線治療の適応基準作成および最適な照射範囲設定の基準作成を行う予定です。
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