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2010 年度 実績報告書

認知心理学的手法を用いたカラー液晶モニタによる画像診断の臨床的安全性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21791182
研究機関名古屋大学

研究代表者

吉村 公美子  名古屋大学, 医学部・保健学科, 教務職員 (90419151)

キーワードLCD / ROC解析 / 読影実験 / コントラスト
研究概要

近年の医用画像は,フィルム読影からモニタによる画像診断(以下,モニタ診断)に変わっている。モニタ診断には,医用高精細モニタ(以下,医用モニタ)が使用されるが,電子カルテなどでは文字閲覧を主目的としたパソコン用などの汎用モニタ(以下,汎用モニタ)で画像を表示することもある。このため,汎用モニタで表示することの臨床的安全性を検討することは,誤診などを招かない環境作りとして重要である。そこで,液晶モニタによる画像診断の臨床的安全性を検討するため,昨年度までに,モニタ特性の物理的測定と模擬画像による読影実験にて,医用モニタと汎用モニタを比較し頭部CT画像の診断について検討を行った。今年度は,実際の頭部CT画像を用いて,同様の検討を目的として読影実験を行った。医用モニタとiPadによる頭部CT画像の脳梗塞検出能を比較するため,100症例の頭部CT画像(健常50例,脳梗塞を含む50例)を,9人の放射線科医師で読影実験を行った。医用モニタは,DICOM用のグレースケールGSDF(以下,GSDFモニタ)と汎用モニタで使用されるグレースケールのガンマ2.2(以下,ガンマモニタ)に調整し,iPadの3種の液晶モニタを比較した。データ解析には,ROC解析を用いた。ROC曲線下面積は,GSDFモニタ0.862,ガンマモニタ0.872,iPad 0.824であった。GSDFモニタおよびガンマモニタのROC曲線下面積は,統計的有意差は認められなかったが,iPadとGSDFモニタおよびガンマモニタのROC曲線下面積は,それぞれ統計的有意差が認められた(p<0.05)。頭部CT画像の読影は,GSDFとガンマ2.2のグレースケールによる差はなく,どちらのグレースケールでも読影に問題はないと考えられる。また,iPadによる読影は,臨床的な安全性が低いことが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A comparative contrast perception phantom image of brain CT study between high-grade and low-grade liquid crystal displays (LCDs) in electronic medical charts.2011

    • 著者名/発表者名
      Kumiko Yoshimura, Kazuhiro Shimamoto, Mitsuru Ikeda, Katsuhiro Ichikawa, Shinji Naganawa
    • 雑誌名

      Physica Medica

      巻: 27(2) ページ: 109-115

    • 査読あり
  • [学会発表] 汎用液晶モニタの画像診断の信頼性の検討:ファントム画像読影実験による高精細モニタとの比較2010

    • 著者名/発表者名
      吉村公美子, 島本佳寿広, 池田充, 長縄慎二
    • 学会等名
      第66回日本放射線技術学会総会学術大会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市パシフィコ横浜
    • 年月日
      2010-04-08

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公開日: 2012-07-19  

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