研究概要 |
電子文献データーベースを使用してPETを用いたグリオーマに関する一次研究論文を収集した。検索期間は、2010年11月30日までとして、PubMedおよびScopusからそれぞれ、2744、3553本の論文を検索した。 これをもとに、グリオーマを10例以上扱っている論文を309本選択した。 次いで、臨床決断に寄与したかどうかのデーター(診断・治療インパクト)が報告されているかどうかに関して、Fribackのレベルに基づいて分類し、さらに、検査が行われた状況を分類した。レベル2以上と考えられる報告は119本であり、また、状況に関しては、予後予測力(58)、再発診断(33)、グレード診断(31)、放射線治療や生検のためのmanagement(15)、病理とのた対比(12)、治療効果判定(11)であった。 ついで、報告の多い再発診断能に関するメタアナライシスを実施した。総数25本の論文からデータを抽出した。 検討したPET製剤は、FDG, MET, FETを対象とし、症例は、high gradeとlow gradeを混合しているものと(any grade)、high gradeのみにわけて検討した。high gradeでは、FDG、MET+FET(アミノ酸製剤)では、いずれも感度80%程度であったが、特異度はアミノ酸製剤が90%弱であり、FDGが60%強であった。すなわち、感度に違いはないが、特異度はアミノ酸製剤が高かった。any gradeでは、FDGの感度は、80%程度、アミノ酸製剤の感度は90%程度と、アミノ酸製剤が高く、特異度に関しては、いずれも70%程度であった。METやFETの報告が少なく、アミノ酸製剤に関しては、今後の一次研究により検証が必要である。
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