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2009 年度 実績報告書

代謝捕捉の概念に基づくHIF-1活性化低酸素腫瘍の高感度イメージング法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21791187
研究機関京都大学

研究代表者

上田 真史  京都大学, 医学研究科, 助教 (40381967)

キーワード放射性医薬品 / 分子イメージング / 低酸素 / HIF-1 / 代謝捕捉
研究概要

本応募課題では、腫瘍の悪性化、治療抵抗性に関与する低酸素誘導因子(HIF-1)の存在する腫瘍を高感度にイメージングする手法の開発を目的としている。これを達成するため、HIF-1の酸素依存的分解に関与するアミノ酸配列(ODD)をプローブの母体に選択し、膜透過配列(PTD)と1型単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV-1TK)を結合させた融合タンパク質(PTD-ODD-HSV-1TK : POTK)を構築し、それによってリン酸化されて細胞内に蓄積する基質プローブを利用することで、代謝捕捉の概念に基づくHIF-1活性化低酸素腫瘍の高感度イメージング法の開発を計画した。
まず、融合させるHSV-1TKについて、全長を用いた場合と一部を欠損させたものを用いた場合の活性を比較したところ、欠損体を融合させた場合はPTD-ODDを融合させていない野生型のHSV-1TKと比べてTK活性は1/5に低下したが、全長を用いた場合は同等のTK活性が保たれていた。そこで、全長のHSV-1TKを融合させたPOTKを作製し、蛍光標識を行って細胞に処置して顕微鏡観察を行ったところ、細胞内への蛍光の分布が認められた。また、125I標識したPOTKを低酸素環境で細胞に取り込ませた後、通常酸素環境と低酸素環境で培養して上清に放出された放射能を比較したところ、通常酸素環境の方が放出される放射能が多く、それらは低分子化合物であったことから、通常酸素環境でのPOTKの分解が示唆された。最後に、細胞にPOTKを添加後、基質プローブである125I-FIAUを処置して細胞内に蓄積した放射能を測定したところ、低酸素環境で通常酸素環境と比較して有意に高い放射能の集積増加を認めた。
以上、本年度の研究により、低酸素環境下で選択的に存在して基質プローブを代謝捕捉する融合タンパク質POTKの構築に成功した。次年度はこれをインビボへ展開し、HIF-1活性化低酸素腫瘍の高感度イメージングを達成する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 腫瘍内HIF-1存在領域のイメージング剤の開発:チミジンキナーゼ融合酸素依存的分解プローブに関する検討2009

    • 著者名/発表者名
      宮野梓、上田真史, 他
    • 学会等名
      第49回日本核医学学術総会
    • 発表場所
      旭川市民文化会館(北海道)
    • 年月日
      2009-10-01

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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