研究課題
大阪大学で行っている、前立腺癌に対する高線量率小線源治療の単独療法(外照射非併用)について、54 Gy/9回の線量分割による治療を行った患者群の観察期間中央値が5年を超えたため、論文報告した。1996年から2005年の間に112名の患者を治療した。その内、低リスク群患者は15名でその5年生化学的非再発率は85%、中リスク群患者は29名、93%、高リスク群患者は68名、79%であった。晩期有害事象についてGrade 3を3名、Grade 2を13名に認めた。本成績は諸家の報告と比肩するものであり、世界で唯一と考えられる54 Gy/9回の線量分割は十分に臨床的に有用であることを示した。大阪大学で行っている、前立腺癌に対するIMRT(強度変調放射線治療)について、最適な治療計画法の検討を行った。Step and Shoot IMRTにおいて、最小セグメントサイズを小さくすればするほど線量分布は改善するが、一方では現実に照射した測定値と計算値との一致率が低下する。最適な最小セグメントサイズを模索した。最小セグメントサイズ1.0cm、1.5cm、2.0cmのそれぞれについて線量分布指数と計算/測定誤差とを求めて比較し、最小セグメントサイズ1.5cmが最も妥当であると結論した。これ以降、本院ではその設定を用いて実際のIMRTを行っている。放射線治療分野における代表的な教科書である「放射線治療 改訂4版(南山堂)」を共執筆し、研究代表者の主たる研究分野である前立腺癌および小線源治療の部分について、最新の研究成果の知見を交えて解説した。
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J Radiat Res
巻: 51 ページ: 543-552
Int J Radiat Oncol Biol Phys
巻: (印刷中)
http://www.radonc.med.osaka-u.ac.jp/