1.光学CTスキャナーの設置:ポリマーゲル線量分布解析の新たな手法として光学CTスキャナーを設置した。本スキャナーでは、ダイオードレーザーを用いた高速スキャンが可能である。従来の病院内MRIを使用する方法では、画像化に3-6時間の長時間を要すること、また、通常業務終了後の使用となることなど、多くの制約があったが、本スキャナーでは30分程度で広範囲の撮像、画像化が可能となり、またポリマーゲル線量分布解析専用機であるため、時間の自由度が著明に改善した。また、MRIでは、毎回の磁場の変化や、長時間の撮像中のゲル内温度変化による影響があり、画像の質や絶対線量評価をする上で不確定な要素があったが、本スキャナーでは放射線照射前のprescan画像と照射後の画像を利用することにより、線量分布解析と同時に絶対線量での評価が可能となった。 2.光学CTスキャナーの調整:本スキャナーでの最適な画像取得のため、レーザー射出角度、揺動ミラーの位置設定、フレネルレンズの調整、タンク内の溶液濃度の調節、光拡散器およびダイオード検知器の位置調整を行った。 3.画像解析システムの構築:MRIにて取得した画像の解析ソフトを当院での撮像条件に適合するよう改変、調整した。また、光学CTスキャナーにて取得した画像の解析システムを構築した。本システムにより、MRI、光学CT、X線フィルムなど異なる画像解析法の比較検討が可能な環境を作った。 4.現在、ポリマーゲル線量計に対して、電子線による照射を行い、ゲル内に生じた変化をMRIと光学CTにて撮像し、両者の比較を行っている。 ●光学CTスキャナーの導入、設置、調整に予想外に長期間を要したため、研究計画が6カ月程度遅延している状態である。現在、放射線照射後のゲル内の変化の画像化および各撮像モダリティーの比較、検討を施行中であり、追って結果を報告する予定である。
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