研究概要 |
本研究は、MR(magnetic resonance)画像によるASL(arterial spin labeling)脳機能画像を用いた早期ADの高精度支援診断システムを構築することが目的である。提案システムを用いることで,医師の診断の見落としや、労力の大幅な軽減が期待できる。また、簡便なMR検査での診断が可能となれば身体的・経済的な患者負担の軽減が予想される。本年度は、下記の実施計画に基づき、研究開発を行った。 ●症例収集 九州大学病院の脳神経放射線科医と精神科医によって収集し、診断された3T HR画像を用意した。 ●3D-Tl強調画像とASL画像のレジストレーション手法の開発 3D-Tl強調画像とASL画像にレジストレーションの基準となる制御点を設定し、アフィン変換による大まかな位置合わせ(global registration)の後、B-スプラインに基づいて、局所的な位置合わせ(local registration)を実行し、マッチングさせるアルゴリズムを開発した。 ●自動的にTalairach標準脳図譜に従って区域分けするアルゴリズムの開発 レジストレーションさせた画像を脳機能により区域分けされた標準脳図譜に従って区域ごとに分割するアルゴリズムを開発した。 実施計画に沿って開発したレジストレーション手法および区域分けのアルゴリズムは良好な結果を残した。 また、開発したアルゴリズムを10症例のアルツハイマー病患者の画像に適用し、その成果を学会発表した。
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