研究課題
本研究の目的は、ASLの脳機能画像を用いて早期のアルツハイマー病(AD)の鑑別診断を支援するシステムを研究開発することである。提案システムを用いることで、医師の診断の見落としや、労力の大幅な軽減が期待できる。また、造影剤を使用することなく診断精度を向上できれば、身体的かつ経済的な患者負担の軽減が予想される。平成21年度に、収集した症例および開発したアルゴリズムを礎に、平成22年度は下記の研究開発を実施した。●脳血流低下区域の特徴量解析法の開発Talairach標準脳図譜に従って区域分けされた領域(平成21年度開発)ごとに血流量の平均値を求め、Student t 検定におけるp値を基に、ADの判別に効果的な領域を取捨選択した。●SVMを用いた血流異常領域の検出アルゴリズムの開発領域ごとの平均脳血流量を特徴量として、ADの特徴量パターンを識別器のひとつであるサポートベクターマシーン(SVM)に学習させ、ADの自動鑑別を試みた。提案手法を15症例AD患者および15例の健常対照者のASLに基づく脳機能画像に適応し、有用性を確認した。●レジストレーションアルゴリズムの改良平成21年度に開発したASL画像とTalairach標準脳図譜のレジストレーション精度を向上させるための改良をおこなった。実施計画に沿って開発・改良した手法を用いてADの自動鑑別を試み、良好な結果を得た。また、研究成果を国際会議論文2報、国内会議論文1報および4件の学会発表により報告した。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)
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