面積線量計を用いて、強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy:以下IMRT)における照射野内吸収線量評価を行いIMRT吸収線量に関する品質保証・管理を行った。モンテカルロシミュレーション(以下:MC)による照射野10cm×10cmにおける照射野内平均吸収線量および15cm×15cm領域における平均吸収線量を算出した。MC結果と小容積電離箱線量計を用いて測定された同領域における平均吸収線量はそれぞれよく一致した。これにより治療計画装置(XiO:ELEKTA-CMS社)で計算された吸収線量から求めた照射野内平均吸収線量、小容積指頭型電離箱線量計で測定結果、MCでの計算結果、面積線量計での測定結果の4者でほぼ等しい結果を得ることができた。次に計画された前立腺IMRT照射における平均吸収線量測定を行い種々測定器での測定結果の解析を行った。先の測定結果より治療計画装置で計算された吸収線量から求めたIMRT照射野における照射野内吸収線量と小容積指頭型電離箱線量計、線量測定用フィルム(EDR2:Kodak社、EBT2:ISP社)による測定と作製した平行平板電離箱線量計を用いた照射野内平均吸収線量の比較を行った。小容積電離箱線量計、EBT2フィルムおよび面積線量計を用いた照射野内平均吸収線量は治療計画装置で計算された照射野内吸収線量とよく一致した。しかし、EBT2フィルムによる測定では、低線量域での線量不一致が見られ、EBT2フィルムの扱いについて新たな課題が生じた。IMRT照射野の場合においても、大容積平行平板電離箱線量計を用いた照射野内吸収線量測定を行うことが可能であり、IMRT吸収線量評価の一助となる可能性が見いだせた。
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