昨年度に引き続き、症例の蓄積を行った。骨盤の治療計画用に、子宮頚癌症例を5例、胸部の治療計画用に、肺癌症例を3例の参加同意を得られ、それぞれ予定通りに、MRIの撮影を行い、CTの画像との線量分布を比較した。3月に腹部の治療計画用に、膵臓癌の症例の同意を得たが、震災のため、MRIが使用不能となり、キャンセルとなってしまった。それぞれの症例で、放射線治療前に治療計画用MRIとCTを、同条件で撮影し、それぞれにおいて、治療計画が行なった。結果として、Dose volume histogramの誤差は、標的部位、リスク臓器ともに5%以内であった。 11月に米国放射線腫瘍学会学術大会に参加した。以前、米国で行っていた関連研究の共同研究者達と情報交換を行った。MRIを利用した治療機器の開発は、直線加速器、コバルトともに、現在行われている状況だが、依然、電子(物理)密度情報関連の問題が挙げられていた。 関係論文としては「Intravenous contrast agent influence on thoracic CT simulation investigated with the 5-bulk density heterogeneous dose calculation」のAmerican journal of clinical oncologyの掲載が決定した。「Bone density in 5-bulk density dose calculation : Does contouring the bone manually change the results?」は大幅に書き直しを行い、Journal of Applied Clinical Medical Physicsに再投稿した。
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