骨セメントが線量分布に与える影響:経皮的椎体形成術と放射線治療の併用療法

2011 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 21791222
• 研究機関: 関西医科大学
• 研究代表者: 米虫 敦 関西医科大学, 医学部, 助教 (80360254)
• キーワード: 経皮的椎体形成術 / 放射線医学 / インターベンショナルラジオロジー / 疼痛学 / がん緩和医療

研究概要

悪性腫瘍の椎体転移による激しい疼補に対する治療として、放射線治療の有効率は59～81%、経皮的椎体形成術の有効率は60～85%と報告されている。治療無効例のQOLを向上させるためには追加治療を検討することが求められるが、経皮的椎体形成術で病巣内に注入する骨セメントにはX線不透過のバリウムが含有されており、放射線照射時の線量分布に歪みを発生させる危険性がある。
病巣内部に骨セメントが注入された後の放射線治療の適応については、骨セメントが線量分布に及ぼす影響の基礎データが存在しない。複雑な照射法を適応させるには高レベルの精度管理が要求され、骨セメントが線量分布に及ぼす影響を明らかにすることが必要である。
本研究は、病巣内部の骨セメントが線量分布に及ぼす影響を基礎ファントム実験で測定し、経皮的椎体形成術と放射線治療との併用療法を可能とする。
本年度は、これまでの研究において得られた放射線照射時の骨セメントがおよぼす線量分布の歪みについての結果を取りまとめて投稿し、Radiology Research and Practice誌に2012年2月21日に掲載が許可された。現在、掲載に向けて事務手続きを進めている。
経皮的椎体形成術と放射線治療を併用するための基礎的データとして、骨セメントが線量分布に与える影響および骨セメント含有病巣に対する最適放射線治僚条件を決定する事ができる。この結果を基にして、椎体転移による激しい疼痛の集学的治療として経皮的椎体形成術と放射線治療の併用療法が可能となり、疼痛緩和治療のイノベーションが創出される。

研究成果

• [雑誌論文] Does Vertebroplasty affect radiation dose distribution? : Comparison of spatial dose distributions in a cement-injected vertebra as calculated by treatment planning system and actual spatial dose distribution (2012)
  • 著者名/発表者名: Atsushi Komemushi, Noboru Tanigawa, Shuji Kariya, Rie Yagi, Miyuki Nakatani, Satoshi Suzuki, Akira Sano, K.Ikeda, Keita Utsunomiya, Yoko Harima, Satoshi Sawada
  • 雑誌名: Radiol Res Pract 巻: (in press) ページ: 2012
  • 査読あり
• [雑誌論文] 第8回日本IVR学会夏期学術セミナー『B-RTOとNBCA塞栓術』受講生の受講前後の診療行動の調査 (2012)
  • 著者名/発表者名: 米虫敦、瀧川政和、西田典史、山本晃、松井広登、前田弘彰、小林薫、山本聡、明神和紀、橋本毅、松永敬二、佐々木真弓、高橋誠、若宮誠、不破相勲、八神俊明、藪田実、野見山弘行、阿知波左千子、谷掛雅人、渡邉啓太、原口貴史、今峰倫平、塚田実郎、竹内直子、内ノ村聡、人見次郎、保本卓、中村純寿、竹口隆也、田村全、佐藤浩三、神谷実佳、西濱晴香、森木健生、瀬之口輝寿、石川祐一、長谷聡一郎、中塚誠之、山門享一郎、小泉淳、廣田省三、吉岡哲也、齋藤博哉、石口恒男、栗林幸夫、狩谷秀治、谷川昇、澤田敏
  • 雑誌名: IVR会誌Jpn J Intervent Radiol 巻: 27 ページ: 56-59
  • 査読あり
• [雑誌論文] Analysis of factors influencing accuracy and complications in CT-guided lung biopsy (2012)
  • 著者名/発表者名: Nakatani M, Tanigawa N, Kariya S, Komemushi A, Yagi R, Sawada S
  • 雑誌名: Minim Invasive Ther Allied Technol 巻: (in press)
  • DOI: doi:10.3109/13645706.2012.662155
  • 査読あり
• [雑誌論文] Added value of percutaneous vertebroplasty : effects on respiratory function (2012)
  • 著者名/発表者名: Tanigawa N, Kariya S, Komemushi A, Nakatani M, Yagi R, Sawada S
  • 雑誌名: AJR Am J Roentgenol 巻: 198 ページ: 51-54
  • DOI: doi:10.2214/AJR.11.6730
  • 査読あり
• [雑誌論文] Metallic stent placement for malignant airway stenosis (2012)
  • 著者名/発表者名: Tanigawa N, Kariya S, Komemushi A, Nakatani M, Yagi R, Sawada S
  • 雑誌名: Minim Invasive Ther Allied Technol 巻: 21 ページ: 108-112
  • DOI: doi:10.3109/13645706.2011.566272
  • 査読あり
• [雑誌論文] Percutaneous bypass creation between hollow organs by modified gun-sight approach (2012)
  • 著者名/発表者名: Kariya S, Tanigawa N, Komemushi A, Nakatani M, Yagi R, Suzuki S, Sawada S
  • 雑誌名: Minim Invasive Ther Allied Technol 巻: 21 ページ: 83-89
  • DOI: doi:10.3109/13645706.2011.560949
  • 査読あり
• [雑誌論文] Percutaneous vertebroplasty for osteoporotic compression fractures : long-term evaluation of the technical and clinical outcomes (2011)
  • 著者名/発表者名: Tanigawa N, Kariya S, Komemushi A, Nakatani M, Yagi R, Kohzai M, Sawada S
  • 雑誌名: AJR Am J Roentgenol 巻: 196 ページ: 1415-1418
  • DOI: doi:10.2214/AJR.10.5586
  • 査読あり
• [雑誌論文] Differences in Trocar Positioning Within the Vertebral Body Using Two Different Positioning Methods : Effect on Trainee Performance (2011)
  • 著者名/発表者名: Atsushi Komemushi, Kenji Takizawa, Norimitsu Tanaka, Misako Yoshimatsu, Kunihiro Yagihashi, Yukihisa Ogawa, Atsuko Fujikawa, Iwao Uejima, Yuya Koike, Taiji Tamura, Makoto Takahashi, Jun Koizumi, Kyoichiro Yamakado, Seishi Nakatsuka, Tetsuya Yoshioka, Shozo Hirota, Kenji Nakamura, Yasuo Nakajima, Sachio Kuribayashi, Shuji Kariya, Noboru Tanigawa, Satoshi Sawada
  • 雑誌名: Radiol Res Pract 巻: (e-pub) ページ: 2011
  • DOI: doi:10.1155/2011/830961
  • 査読あり
• [雑誌論文] 肝細胞癌に対する化学塞栓療法により生じた皮膚潰瘍の1例-肝外供血路である腰動脈からの薬剤注入による- (2011)
  • 著者名/発表者名: 豊永三恵子、山崎文和、上野麻衣、岩阪浩志、水野可魚、米虫敦、澤田敏、岡本祐之
  • 雑誌名: 皮膚科の臨床 巻: 53 ページ: 1151-1154
  • 査読あり
• [雑誌論文] 自慢の技:腹部血管造影きほんの"き":被曝防護の考え方 (2011)
  • 著者名/発表者名: 米虫敦
  • 雑誌名: 第11回技術教育セミナーシラバス:日本IVR学会教育委員会 ページ: 64-67
• [雑誌論文] 自慢の技:腹部血管造影きほんの"き":各流派の差異(総合討論資料) (2011)
  • 著者名/発表者名: 米虫敦、末吉智、関明彦、南哲弥、高良真一、高橋正秀
  • 雑誌名: 第11回技術教育セミナーシラバス:日本IVR学会教育委員会 ページ: 86-92
• [雑誌論文] ここまで進んだ肝がんの診断と治療 (2011)
  • 著者名/発表者名: 来虫敦, 谷川昇, 是枝ちず, 狩谷秀治, 八木理絵, 中谷幸, 鈴木聡史, 左野明, 池田耕士, 宇都宮啓太, 菅野渉平, 播磨洋子, 関寿人, 澤田敏
  • 雑誌名: J.Microwave Surg. 巻: 29 ページ: 39-43
• [雑誌論文] 骨腫瘍に対するRFA (2011)
  • 著者名/発表者名: 谷川昇、狩谷秀治、米虫敦、中谷幸、八木理絵、澤田敏
  • 雑誌名: Surgery Frontier 巻: 18 ページ: 58-62
• [雑誌論文] 第7回椎体形成術研究会報告～バルーンカイフォプラスティーと椎体形成術がついに保険適応～ (2011)
  • 著者名/発表者名: 米虫敦
  • 雑誌名: RadFan 巻: 9 ページ: 93
• [雑誌論文] バスキュラーアクセスインターベンション時の放射線防護 (2011)
  • 著者名/発表者名: 狩谷秀治、谷川昇、米虫敦、中谷幸、八木理絵、鈴木聡史、澤田敏
  • 雑誌名: 腎と透析71巻別冊アクセス2011、p.54-56 巻: 71巻別冊 ページ: 54-56
• [学会発表] 『塞栓物質の基礎と使用法』Onyx・総論 (2011)
  • 著者名/発表者名: 米虫敦
  • 学会等名: 第9回日本IVR学会夏季学術セミナー
  • 発表場所: 神奈川県、テルモメディカルプラネックス
  • 年月日: 20110730-20110731
• [学会発表] 『塞栓物質の基礎と使用法』実習(3):オペ室 (2011)
  • 著者名/発表者名: 米虫敦
  • 学会等名: 第9回日本IVR学会夏季学術セミナー
  • 発表場所: 神奈川県、テルモメディカルプラネックス
  • 年月日: 20110730-20110731
• [学会発表] 骨RFA～治療の現況とエビデンス (2011)
  • 著者名/発表者名: 谷川昇、狩谷秀治、米虫敦、中谷幸、八木理絵、澤田敏
  • 学会等名: 第40回日本IVR学会総会ランチョンセミナー
  • 発表場所: 肖森県、青森市文化会館/ホテル青森
  • 年月日: 20110519-20110521
• [学会発表] 技術教育セミナー:自慢の技:腹部血管造影きほんの"き":モデレーター (2011)
  • 著者名/発表者名: 米虫敦
  • 学会等名: 第40回日本IVR学会総会
  • 発表場所: 青森県、青森文化会館/ホテル青森
  • 年月日: 20110519-20110521
• [学会発表] 技術教育セミナー:自慢の技:腹部血管造影きほんの"き":被曝防護の考え方 (2011)
  • 著者名/発表者名: 米虫敦
  • 学会等名: 第40回日本IVR学会総会
  • 発表場所: 青森県、青森文化会館/ホテル青森
  • 年月日: 20110519-20110521
• [学会発表] 技術教育セミナー:自慢の技:腹部血管造影きほんの"き":各流派の差異(総合討論) (2011)
  • 著者名/発表者名: 米虫敦、末吉智、関明彦、南哲弥、高良真一、高橋正秀
  • 学会等名: 第40回日本IVR学会総会
  • 発表場所: 青森県、青森文化会館/ホテル青森
  • 年月日: 20110519-20110521
• [学会発表] マイクロバブル化炭酸ガス造影剤を使用したエックス線血管撮影 (2011)
  • 著者名/発表者名: 狩谷秀治、谷川昇、米虫敦、中谷幸、八木理絵、澤田敏
  • 学会等名: 第40回日本IVR学会総会
  • 発表場所: 青森県、青森文化会館/ホテル青森
  • 年月日: 20110519-20110521
• [学会発表] トロンビンを用いた経動脈的Drug Delivery System:家兎による基礎実験 (2011)
  • 著者名/発表者名: 米虫敦、谷川昇、狩谷秀治、八木理絵、中谷幸、鈴木聡史、池田耕士、宇都宮啓太、菅野渉平、播磨洋子、澤田敏、井上理人、小山田和央、三宅剛史、神吉剛、佐藤遼
  • 学会等名: 第40回日本IVR学会総会
  • 発表場所: 青森県、青森文化会館/ホテル青森
  • 年月日: 20110519-20110521
• [学会発表] 当院における産科出血に対する経カテーテル的動脈塞栓術の成績 (2011)
  • 著者名/発表者名: 八木理絵、谷川昇、狩谷秀治、米虫敦、中谷幸、澤田敏
  • 学会等名: 第40回日本IVR学会総会
  • 発表場所: 青森県、青森文化会館/ホテル青森
  • 年月日: 20110519-20110521
• [学会発表] CTガイド下肺生検の正診率と合併症の評価 (2011)
  • 著者名/発表者名: 中谷幸、谷川昇、狩谷秀治、米虫敦、八木理絵、香西雅介、澤田敏
  • 学会等名: 第40回日本IVR学会総会
  • 発表場所: 青森県、青森文化会館/ホテル青森
  • 年月日: 20110519-20110521
• [学会発表] 喀血に対する気管支動脈塞栓術の短期的ないし長期的有効性 (2011)
  • 著者名/発表者名: 鈴木聡史、谷川昇、八木理絵、中谷幸、小島博之、米虫敦、狩谷秀治、清水俊樹、米津精文、野村昌作、澤田敏
  • 学会等名: 第40回日本IVR学会総会
  • 発表場所: 青森県、青森文化会館/ホテル青森
  • 年月日: 20110519-20110521
• [学会発表] 骨セメント;JIVROSGの結果も含めて (2011)
  • 著者名/発表者名: 米虫敦
  • 学会等名: 第1回緩和IVRミーティング
  • 発表場所: 神奈川県、新横浜フジビューホテル
  • 年月日: 2011-12-03
• [学会発表] 下腹壁動脈へのSafety J Guidewireとシースの誤挿入後に生じた腹直筋内仮性動脈瘤 (2011)
  • 著者名/発表者名: 米虫敦、谷川昇、左野明、鈴木聡史、狩谷秀治、八木理絵、中谷幸、池田耕士、宇都宮啓太、菅野渉平、播磨洋子、澤田敏、谷村雄志、関寿人
  • 学会等名: 日本Interventional Radiology学会第30回関西地方会
  • 発表場所: 奈良県、奈良県文化会館
  • 年月日: 2011-06-18
• [学会発表] 第8回日本IVR学会夏期学術セミナー『B-RTOとNBCA塞栓術』受講生の受講前後の臨床状況調査 (2011)
  • 著者名/発表者名: 米虫敦、瀧川政和、西田典史、山本晃、松井広登、前田弘彰、小林薫、山本聡、明神和紀、橋本毅、松永敬二、佐々木真弓、若宮誠、不破相勲、八神俊明、藪田実、野見山弘行、阿知波左千子、谷掛雅人、渡邉啓太、原口貴史、今峰倫平、塚田実郎、竹内直子、内ノ村聡、人見次郎、保本卓、中村純寿、竹口隆也、田村全、佐藤浩三、神谷実佳、西濱清香、森木健生、瀬之口輝寿、石川祐一、長谷聡一郎、中塚誠之、山門享一郎、小泉淳、廣田省三、吉岡哲也、栗林幸夫、狩谷秀治、谷川昇、澤田敏
  • 学会等名: 日本Interventional Radiology学会第30回関西地方会
  • 発表場所: 奈良県、奈良県文化会館
  • 年月日: 2011-06-18
• [学会発表] ガンサイドアプローチによる経皮的管腔臓器バイパス作成術の改良 (2011)
  • 著者名/発表者名: 狩谷秀治、谷川昇、米虫敦、中谷幸、八木理絵、澤田敏
  • 学会等名: 日本Interventional Radiology学会第30回関西地方会
  • 発表場所: 奈良県、奈良県文化会館
  • 年月日: 2011-06-18
• [学会発表] 右そけい部からのシース挿入時のトラブル (2011)
  • 著者名/発表者名: 米虫敦
  • 学会等名: 第22回放射線診療安全向上研究会
  • 発表場所: 京都府、メルパルク京都
  • 年月日: 2011-06-03
• [図書] IVRマニュアル第2版 (2011)
  • 著者名/発表者名: 米虫敦, 他
  • 総ページ数: 464
  • 出版者: 医学書院